(写真はイメージです/PIXTA)

2月17日、米国商務省センサス局は住宅着工・許可件数を発表しました。そのデータをもとに、ニッセイ基礎研究所の窪谷浩氏が解説します。※本記事は、ニッセイ基礎研究所のレポートを転載したものです。

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      結果の概要…着工件数は前月、市場予想を下回る一方、許可件数は前月、予想を上回る

      2月17日、米国センサス局は1月の住宅着工、許可件数を発表した。住宅着工件数(季節調整済、年率)は163.8万件(前月改定値:170.8万件)と170.2万件から小幅上修正された前月、市場予想の169.5万件(Bloomberg集計の中央値)を下回った[図表1、図表3]。

       

      [図表1]住宅着工件数
      [図表1]住宅着工件数

       

      住宅着工許可件数(季節調整済、年率)は189.9万件(前月改定値:188.5万件)と187.3万件から小幅下方修正された前月、減少を見込んだ市場予想の175.0万件を大幅に上回った[図表2、図表5]。

       

      [図表2]住宅着工許可件数
      [図表2]住宅着工許可件数


      なお、許可件数に関して1月から調査方法が従来の代表標本方式からカットオフ標本方式に変更となり、新たに地方や都市圏、郡レベルでの月次データの開示が開始された。

      結果の評価…許可件数は増加も着工件数は戸建ての回復遅れから4ヵ月ぶりのマイナス

      住宅着工件数の伸びは前月比▲4.1%(前月:+0.3%)と4ヵ月ぶりにマイナスに転じた[図表3]。

       

      [図表3]住宅着工件数(伸び率)
      [図表3]住宅着工件数(伸び率)

       

      内訳をみると、戸建てが▲5.6%(前月:▲3.3%)と2ヵ月連続のマイナスと回復が遅れているほか、集合住宅も▲0.8%(前月:+9.4%)とマイナスに転じた[図表4]。

       

      [図表4]住宅着工件数前月比(寄与度)
      [図表4]住宅着工件数前月比(寄与度)

       

      前年同月比では+0.8%(前月:+2.8%)と11ヵ月連続のプラスとなった。戸建てが▲2.4%(前月:▲10.1%)と2ヵ月連続のマイナスとなったものの、集合住宅が+8.3%(前月:+52.0%)とプラスを維持して全体を押し上げた。

       

      地域別寄与度(前月比)は、北東部が+0.2%ポイント(前月:+0.2%ポイント)とプラスを維持したほか、西部が+3.9%ポイント(前月:▲3.3%ポイント)とプラスに転じた。

       

      一方、中西部が▲7.1%ポイント(前月:+6.2%ポイント)とマイナスに転じたほか、南部が▲1.1%ポイント(前月:▲2.8%ポイント)と2ヵ月連続のマイナスとなるなど、地域によってマチマチの結果となった。

       

      先行指標である住宅着工許可件数は、前月比+0.7%(前月:+9.8%)と4ヵ月連続のプラスとなった[図表5]。

       

      [図表5]住宅着工許可件数(伸び率)
      [図表5]住宅着工許可件数(伸び率)

       

      集合住宅が▲8.3%(前月:+23.9%)とマイナスに転じたものの、戸建てが+6.8%(前月:+2.0%)と前月からプラス幅が拡大して全体を押し上げた[図表6]。

       

      [図表6]住宅着工許可件数前月比(寄与度)
      [図表6]住宅着工許可件数前月比(寄与度)


      前年同月比は+0.8%(前月:+7.2%)と4ヵ月連続のプラスとなった。戸建てが▲5.0%(前月:▲8.5%)と6ヵ月連続でマイナスと回復が遅れているものの、集合住宅が+12.8%(前月:+44.2%)と2桁の伸びを維持して全体を押し上げた。

       

      一方、全米建設業協会(NAHB)による戸建て新築住宅販売のセンチメントを示す住宅市場指数は、2月が前月比▲1ポイントの82(前月:83)となった[図表7]。これでセンチメントの悪化は2ヵ月連続となった。

       

      [図表7]住宅市場指数(項目別)
      [図表7]住宅市場指数(項目別)


      内訳は販売現況が90(前月:89)と前月から改善した一方、販売見込みが80(前月:82)、客足が65(前月:69)といずれも悪化するなど、マチマチの結果となった。

       

      NAHBは、依然として住宅需要は強いものの、建材の配送遅れにより建設コストが上昇しているほか、22年入り後の金利上昇が住宅の潜在的な買い手の購入可能性を低下させると指摘している。

       

       

      窪谷 浩

      ニッセイ基礎研究所

       

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        ※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
        ※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2022年2月18日に公開したレポートを転載したものです。

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