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米長期金利の上昇を嫌気して急落
米国株式は、2022年に入ってから金融引き締めの前倒し観測とそれに伴い米長期金利(10年国債利回り:黄線)が1.8%をつけるなど上昇したことが嫌気され急落した[図表1]。S&P500種株価指数(青線)は年初4,800ポイント目前であったが、1月27日には昨年10月以来の4,300ポイント割れ目前まで下落した。
その後、S&P500種株価指数は米主要企業の好決算を好感して反発し、2月頭には4,600ポイント目前まで回復した。しかし、1月の米雇用統計が予想外に良好で、1月の米消費者物価指数も市場予想を上回る上昇であったため、長期金利が一時2%をつけるなど再び上昇したことから株価の上昇が止まった。
さらにはウクライナ情勢の緊迫化も加わり、S&P500種株価指数は再び4,500ポイント前後の水準で推移している。
急落してもまだ高い米国株式
このように米国株式は急落したものの、実は割安感に乏しい水準にある。S&P500種株価指数の予想PER(青線)は足元20倍前後で推移しており、22倍に迫っていた年初と比べると低下したが、いまだに高水準にある[図表2]。
今後は、長期金利の上昇とともに予想PERがさらに低下することが見込まれる。予想PER(縦軸)と長期金利(横軸)の分布をみても、長期金利が低いほど高PERが許容されており、予想PERは概ね以下の式が成り立っていたことが分かる※1[図表3]:
※1 詳しくは「米国株式、金利上昇への耐久力は?」参照。
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