(※画像はイメージです/PIXTA)

教育費の中で、塾代は大きなウエートを占めています。中学受験の人気を受け、塾に通い始める小学生が低年齢化し、子どもが塾にいくことは「普通のこと」になってきました。家計の聖域の塾代はいくらなのでしょうか。塾なしで長男を志望校に入学させた塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)で明らかにします。

子どもが塾に通うメリットとデメリット

これだけのお金を払って多くの子どもが通っている塾ですが、通うメリットとデメリットについて見てみましょう。

 

この表2を見て、実際に、塾にメリットを多く感じているご家庭は、塾なし受験がピンとこないかもしれません。一方、塾に通うデメリットが気になっているご家庭であれば、塾にいかないという選択肢をぜひ知ってもらいたいと思います。

 

通塾のメリットは、プロの指導の下で志望校を目指せる安心感でしょう。「塾の先生に任せておいて第一志望校に合格できた!」という喜びの声が保護者から聞こえます。塾との出合いで子どもがやる気を出し勉強が好きになってくれたら最高ですね。

 

一方で、「高い月謝を払って塾にいってもなかなか伸びない」という声もあります。成績が伸びないからと塾を変えている保護者もいます。塾にいけば、第一志望校に必ず合格できるという話ではありません。伸びなかった子どもは、保険を掛けた上で志望校を変えずに受験をするか、最後に志望校を下げるかが選択となります。

 

実際には、目指していた志望校は不合格となり併願した私立高校に通っている子どもはたくさんいます。もちろん、これは塾なしでも同じことです。ただ、もし同じ結果だった場合、塾にいかずに自宅学習で受験に挑戦していたら、同じ不合格でも得られるものが違ってくると私は考えています。塾なし受験を選択してほしい理由がここにあります。

 

塾については気がかりなこともあります。よく目を凝らすと、経営のために過熱する受験産業という側面が見え隠れしています。塾は、少子化で減少している子どもたちを取り合って生き残らねばなりません。教育には産業としてだけでなく、「子どもを育てる」という大義があります。時として子どもに過剰な競争をさせる塾での教育は、多くの子どもたちにとって当たり前に必要なのでしょうか。私が疑問に思うことです。

 

【表2】通塾のメリット、デメリット

 

塚松美穂
ライター・教育アドバイザー
学習支援コーディネーター

 

 

※本連載は塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

「塾なし」高校受験のススメ

「塾なし」高校受験のススメ

塚松 美穂

プレジデント社

たくさんの習い事に、塾を掛け持ちしている小学生。中学生になれば、学習塾にいくのが当たり前の世の中で、周りを見れば塾通いのクラスメートばかり。「塾にいかないと子どもたちは希望する進路に進めないのだろうか」という疑…

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