老老介護の次は「“認認”介護」…認知症700万人時代の「悲惨」 (※写真はイメージです/PIXTA)

高齢化が急速に進み、いまや世界に類をみない長寿国と呼ばれている日本。人生90年ともいわれ、第二、第三の人生を歩む人も少なくないなかで、健康問題は常にその計画を阻む障壁となります。特に深刻化しているのが「認知症の増加」で、日本が高齢化のピークを迎える2025年には、患者数は700万人を超えるという試算も…。認知症をひとごとにしてはいけません。ここでは、認知症にまつわる看過できない問題を見ていきましょう。認知症の専門医・旭俊臣医師が解説します。

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認知症増加で「社会的にも見過ごせない問題」が多発

認知症患者の数が増えるということは同時に、その介護者も増えるということを意味します。

 

認知症は現代の医療をもってしても、根治を目指せる治療法が確立されていないのはご存知のとおりです。そのなかで患者数が年々増加していくことは、それだけでも憂慮すべき問題ですが、同じように深刻なのは、患者の家族まで身体的、精神的、また経済的にも負担がのしかかってくるということです。

 

介護者が高齢の配偶者であれば、65歳以上の高齢者を同じく65歳以上の高齢者が介護している状態の「老老介護」や、老老介護のなかでも認知症の要介護者を認知症の介護者が介護している「認認介護」のリスクが高くなります。一方、介護者が働き盛り世代であれば、フルタイムで働けなくなるという問題が生じます。介護がなければほかの仕事ができる労働力が、失われてしまうというわけです。

 

少子化が深刻になっている昨今、労働人口が減ってしまうということは社会全体の生産性の低下に直結し、国全体に打撃を与えます。この状況が慢性化すれば社会が立ちいかなくなる恐れもあるでしょう。

 

さらに問題なのが、いわゆる“介護疲れ”です。認知症の介護は長期戦であり、終わりが見えないため、その状況に耐えられなくなると家族が精神的に追い詰められやすく、うつ病などの疾患の要因にもなりかねません。そうなるとますます労働力は見込めなくなりますし、そのうえ、そうした疾患の治療のために医療費が使われ、国の財政を圧迫するという負の連鎖が止まらなくなってしまう恐れがあります。

旭神経内科リハビリテーション病院 院長 日本神経学会認定神経内科専門医
日本老年精神医学会専門医
日本認知症学会専門医
日本リハビリテーション医学会認定リハビリテーション科専門医

千葉大学医学部を卒業後、銚子市立病院精神科、松戸市立病院神経内科を経て、旭神経内科医院を設立、院長に就任。

介護老人保護施設栗ヶ沢デイホーム施設長、千葉県東葛北部地域リハビリテーション広域支援センター長を兼任。

2002年には、回復期リハビリテーション病棟を開設。2004年に旭神経内科リハビリテーション病院に改称。認知症、寝たきりになっても、住み慣れた地域で長く暮らせる街づくりに取り組んでいる。

日本認知症ケア学会平成26年度奨励賞、2016年第25回若月賞受賞。

著者紹介

連載専門医が徹底解説!「隠れ認知症」の早期発見・早期ケア

※本連載は、旭俊臣氏による『増補改訂版 早期発見+早期ケアで怖くない隠れ認知症』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

増補改訂版 早期発見+早期ケアで怖くない隠れ認知症

増補改訂版 早期発見+早期ケアで怖くない隠れ認知症

旭 俊臣

幻冬舎メディアコンサルティング

近年、日本では高齢化に伴って認知症患者が増えています。罹患を疑われる高齢者やその家族の間では進行防止や早期のケアに対する関心も高まっていますが、本人の自覚もなく、家族も気づいていない「隠れ認知症」についてはあま…

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