認知症を「ひとごと」にしてはいけない
認知症にまつわる問題は社会的にも見過ごせないほど多岐にわたります。それでも、私たちは認知症をひとごととして見がちです。
それは、「自分が自分でなくなる」という恐怖感、家族に大きな負担をかけるという遠慮、治療困難な進行性の病気であるという絶望感などが重なって、認知症から目をそむけたい、認知症を自分自身の問題として考えたくないといった気持ちがあるためと考えられます。
まずは認知症を正しく理解すること、疑いが出てきたら早期診断・早期ケアを受けることが個々人においては重要です。
さらに、介護負担を軽くするため介護サービスを積極的に利用すること、専門職や介護体験者などと交流することなど、前向きに対応することにより、介護の混乱が軽くなり、認知症の人の状態も落ち着くことは、医療者としての私の今までの経験からも明言できます。
旭俊臣
旭神経内科リハビリテーション病院 院長
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