(※画像はイメージです/PIXTA)

めんどくさい人たちは、ただでさえ要注意人物なのに、相手のことが分かっていないと、うまく対処することができません。めんどうな人の思考と行動のパターンを知っておくことが必要です。産業医の井上智介氏が著書『職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

不安と劣等感が強く、傷つくことを恐れるワケ

②ことあるごとにマウンティングしてくる人

 

彼らは、「自分はすごい人間なんだぞ」「特別な人間なんだぞ」という自己顕示欲が抑えられずに周りにアピールしてくる人たちです。

 

たとえば、早稲田大学出身のこのタイプの人がいる職場に、東京大学出身の新入社員が入社してきたとします。

 

すると、自分よりも高い学歴を持つ新人の存在に劣等感が刺激され、追い抜かれるのではないかという不安から、自分が優れていることを見せつけるために相手を見下して傲慢な態度をとる……。

 

これが、マウンティングをする人の典型的な行動です。

 

なぜそんなことをするのかというと、そもそもの要因は自己愛にあります。

 

自分自身を過大評価していたり、自分の能力を過信しているのです。

 

その半面、このタイプの人たちは、相手から称賛されないと自分の価値を見出すことができないという特徴も持ちあわせています。

 

不安と劣等感が強く、本心では傷つけられることをとても恐れているため、必要以上に周囲に自分のすごさを認めさせようとしているのです。

 

③ハラスメントをしてくる人

 

ハラスメントとは、ひと言でいうと「相手が嫌がる行為」のこと。

 

このタイプの人は、マウンティングする人と近い性質を持ち合わせています。

 

今では数えきれないほどの△△ハラスメントという言葉が存在しますが、昔はハラスメントがなかったのかというと、そうではありません。

 

インターネットやSNSの発達で、被害者たちの声が届きやすくなっただけで、昔からハラスメントは横行していました。

 

そのため、年配の方になればなるほど、「ずっと前からやっているけど」「今さらなぜ」という感覚が強く、大きな問題になっても「そんなつもりはなかった」という人が多いのです。

 

最近では身体的暴力にまで及ぶ人はかなり減っているものの、

 

「こんな簡単なこともできないの?」
「これだから最近の若い人は……」
「女性は愛嬌がないと結婚できないよ」

 

といったことを平気で言う人はいまだに少なくありません。

 

こうした無自覚な人たち以上に厄介なのが、明らかに相手を傷つけるために「相手が嫌がる行為」をするケースです。

 

産業医として、そうした悪質なハラスメント加害者に話を聞くこともあるのですが、明らかに嘘をついていたり、無責任な返答をされたことは1度や2度ではありません。

 

自己顕示欲、自己愛が強いだけでなく、相手がどう感じるかという共感性と想像力に欠けている人だと言えるでしょう。

 

次ページ責任を押し付けてくる人は2つのパターン

※本連載は井上基介氏が著書『職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

職場のめんどくさい人から自分を守る心理学

職場のめんどくさい人から自分を守る心理学

井上 智介

日本能率協会マネジメントセンター

「仕事の悩みは人間関係が8割」だといいます。 職場ではさまざまな人と関わる必要があり、仕事の関係上、自分が人間関係を選ぶことも難しい。自分に都合の悪いことは無視する上司、融通がきかない部下、承認欲求が強く、自己…

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