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受験科目の増加は意味がない…その真意は?
入試科目の増加に関しては「受験生の負担が重くなる」と否定的意見も目立ちます。ただそれ以上に「受験科目の増加など意味がない」という意見も目立ちます。
「就職予備校」と揶揄される現代の日本の大学。「就職に有利かどうか」が大学選びの重要なポイントになっていますし、偏差値などによる切り捨てがまだあるとはいえ「出身校は問わない」という企業も増えています。優秀な学生を獲得した後の出口が描けない状況では、どんなに入学試験で優秀な生徒を選抜したところで意味がないというのです。特に大学院への進学率の低い文系では「就職を見据えて大学に進学する」というのは顕著でしょう。
UNESCOによる主要国の大学進学率によると、トップは「ギリシア」で148.5%。「オーストラリア」115.9%が続きます。日本はOECD加盟国のなかでは30位と低迷しています。
【世界「大学進学率」上位10】
1位「ギリシャ」148.5%*2
2位「オーストラリア」115.9%*2
3位「トルコ」115.0%*2
4位「マカオ」113.0%*1
5位「グレナダ」104.5%*3
6位「ウルグアイ」102.6%*2
7位「韓国」98.4%*2
8位「プエルトリコ」97.5%*4
9位「アルゼンチン」95.4%*2
10位「ラトビア」94.8%*2
出所:UNESCO
*1 2020年
*2 2019年
*3 2018年
*4 2016年
UNESCOによる大学進学率は日本の短期大学相当の大学を含み、大学への総入学者数を学入学適齢人口で割った比率で、浪人生や社会人などの適齢年齢以外入学者なども含むため、100%を超える場合があります。このランキングから、日本では進路が「高校卒業→大学入学→就職」の一辺倒だということがわかります。
世界ではさらに専門性を高めるために、社会人を続けながら大学で学ぶという国も珍しくなく、大学で学んだものを仕事に活かせるようになっています。
大学自体が変わり、企業の意識が変わり、さらにはキャリア形成が多様化する。様々なものが変わらなければ、入試改革は意味を成さないようです。
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