あなたにオススメのセミナー
銀行や保険会社がオンライン化するメリット
令和2(2020)年11月、政府は金融機関口座とマイナンバーの紐付け義務化は見送ると発表しました。しかし、株式会社NTTデータ提供の『ピピットリンク(pipitLINQ®)』は、2022(令和4)年1月からすでに本格稼働しています。行政機関から金融機関への預貯金照会業務デジタルサービスで、200余の地方自治体、40余の銀行(信用金庫)が導入済みです。
『ピピットリンク』公式サイトによると、「今後は国税庁や日本年金機構等の中央省庁にもご利用いただけるように準備中」「生命保険会社や証券会社へも順次対応予定」とのことです。これが実現化すれば、相続税の税務調査はますます効率化・正確化することでしょう。
もちろん、金融機関口座のマイナンバー紐付けと税務行政のデジタル化は、納税者にとってメリットもあります。政府が強調するように、給付金の申請や受取がスピードアップされるでしょうし、不正受給も防止されることでしょう。
また、証券会社が顧客のマイナンバーを把握可能になったことで、証券の相続手続きもスムーズになることが期待できます。Yさんのように被相続人のネット証券口座の有無がわからない、ネット取引のパスワードがわからないという場合も、被相続人のマイナンバーがわかれば手続きしやすくなるはずです。
なお、税務調査当日は税理士が立会いできます。Yさんの場合、故意による過少申告ではないので重加算税は免れるはずです。延滞税は課されますが、早めの修正申告で過少申告加算税も交渉の余地はあるでしょう。
税務調査に関しては専門家の意見が欠かせません。お近くの相続に強い税理士に相談することをおすすめします。
岡野 雄志
岡野雄志税理士事務所
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ
■47都道府県「NHK受信料不払いランキング」東京・大阪・沖縄がワーストを爆走