今の時代、「やれ!」と指示されて動く部下はいない
「やれ!」と指示・命令されて喜んで動く人はいません。終身雇用・年功序列の時代であれば、それでも人は我慢して動きました。なぜなら若いうちに我慢して働いていれば、将来報われるという保証が期待できたからです。しかし今ではそのような保証ができる会社はほとんどなくなりました。
今は指示されても本人が「やりたい!」と思わなければ動きません。あるいは「やってもいいんだ」と感じられなければ動きませんし、動いたとしても続きません。
あるチームで行動的だった人が、別のチームに異動したら受け身になってしまったということはよくあります。新しいチームでは積極的に行動しても報われないと感じるからです。それどころか批判されてしまうことさえあります。一方で指示待ちと思われていた人が、チームを変わったとたんに提案や発言などの主体的な行動を始めるというケースもあります。
大切なのはチームの雰囲気です。それがメンバーの行動を抑制したり、促進したりするからです。
雰囲気には物理的なものと心理的なものがあります。物理的というのはオフィスが美しい、広々としている、照明が落ち着く、空調が良好などです。もちろんこれらも大切ですが、それ以上に心理的な要因が大切であることが、私たちの独自研究から分かっています。
主体的行動の発揮に影響する心理要因は9つあります。①目標共有、②心理的安全性、③チームへの愛着、④メンバー信頼、⑤チャレンジ精神、⑥仕事のやりがい、⑦プロセス重視、⑧顧客重視、⑨チーム貢献への自信、です。チームがこの9つを大切にしていることをメンバーが実感すればするほど、主体的行動を発揮するようになります。
つまりチームパフォーマンスを高めるためのマネジメントとは、これら9つの心理要因のマネジメントなのです。