目標共有はチームマネジメントの根底をなす必須要因
■目的・意義のわからない目標は「ノルマ」…メンバーのやる気を奪いがち
目標共有とは、チームの目標とその達成に向けた自分の役割の理解度合いです。
これは特に、自分の仕事に全力で取り組み最善を尽くす「最善行動」や、自分以外のメンバーの仕事がより良くなるために、出し惜しみせずに自ら支援や提案をする「メンバー支援行動」に影響を与えます。目標達成のためには自分が最善を尽くすことも、メンバーを手助けすることも大切だからです。
目標共有を高めるためには、チームの目的や意義を共有することが必要とされます。リーダーが何度も目標を伝えているのに、メンバーの腹に落ちていないことがよくありますが、そのようなときはメンバーに数値目標だけを伝えていて、その目的や意義を伝えていないことが多いのです。目的・意義があれば目標となりますが、なければノルマになってしまい、メンバーのやる気を削ぐことになりがちです。
目標共有は、チームマネジメントにおいては根底をなす必須要因です。事実、目標共有がその他の心理要因、特に心理的安全性・チームへの愛着・仕事のやりがい・プロセス重視・顧客重視に大きな影響を与えることが、私たちの統計分析で判明しています。
また、目標を達成したときの達成感や他者への貢献度をイメージするうえでも重要です。目標設定時は目標が多いと混乱したり矛盾したりするので、できれば3項目以内に絞り込むと良いと思います。
■主体的行動を引き出せるのは「“外向き”の意義」
なお意義には内向きなものと外向きなものがあります。例えば売上目標を達成したときの意義としては、メンバーみんなの給料が上がるというのが内向きです。売上が上がるということは多くの人が使ってくれたということであり、それによって社会貢献できていることになるというのが外向きです。きれいごとに聞こえるかもしれませんが外向きの意義のほうが実現したときに達成感が感じられ、内向きの意義よりもやる気が長続きするものです。
したがって意義を設定する際には外向きであることが重要になってきます。「大義名分」があると人は動きやすいのです。何のために仕事をしているのかと問われてその答えが「給料のため」だと給料にならないことはやらなくなるというのが、内向きの意義づけの怖いところです。「世の中を良くするため」だと「世の中のためになっているか?」という視点になるので、利己的な思考に陥ることを防ぎ、自分たちの貢献を高めようという思考になります。外向きの意義があることのほうが働きがいにつながるものなのです。
橋本 竜也
株式会社日本経営 取締役
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