金利上昇が「バリュー株」の相対的な魅力を引き立てる
全体的にみれば、難題を抱えながらも世界経済は2022年も急ピッチで拡大する公算が大きく、国際通貨基金(IMF)の直近の世界経済見通しでは、世界経済は2021年は5.9%成長、2022年は4.9%成長が見込まれています※1。
※1 国際通貨基金、世界経済見通し、2021年10月。いかなる予想、推測、予測も実現する保証はありません。
これは、過去10年間の生産の伸びを大きく上回る水準です。IMFのデータによると、2017年基準の購買力平価による世界経済の成長率は、過去10年間で2.5%を超えたことはありませんでした※2。
※2 同上、42頁。
足元で成長の足かせになっている労働力や供給の問題が解消すれば、バリュー株の投資魅力は再び高まる可能性があると考えています。一般的に景気動向に敏感なバリュー株には、力強い景気拡大と緩やかなインフレが追風になります。
さらに、割高なグロース株は、短期的なキャッシュフローを生み出すことのできるバリュー株に比べ、金利上昇の影響を受けやすいと考えられます。ハイテク株などのグロース株は、より遠い将来にキャッシュフローを生み出すためです。
すでに割高感が強いグロース株は、金利上昇によりなお一層割高と評価される可能性があり、バリュー株の相対的・絶対的な投資魅力を際立たせる可能性があります。
我々は、バリュー株の投資機会を捉えるには、積極的な銘柄選別が重要になると考えています。賃金や投入コストの上昇の影響、値上げを可能にする価格決定力、コロナ禍終息への対応力は、企業によって異なると予想されます。
また、今後数年間にわたり魅力的なリターンを確保するには、過小評価されている企業、誤解されている企業がどのように価値を生み出すのかを理解することがカギになるとみています。
株主のリターンを改善し、一貫かつ改善するキャッシュフローを生み出すことのできるバリュー株には、追風が吹くと考えられます。
フランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社
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