(※写真はイメージです/PIXTA)

多様化が進む現代では、たとえ専門性の高いチームであっても、連携していかないと成果を出すのが難しくなっています。チームとして成果を出し、目標達成する可能性を高めるためのチームマネジメントを見ていきましょう。

自己向上行動かチーム向上行動か…まず改善すべきは?

主体的行動の発揮度合いをスコアリングした際にまず着目することは、自己向上行動とチーム向上行動のどちらのスコアが高いかです。そして当然ながらまずはスコアが低いほうを高める施策を採っていきます。

 

例えば医師、税理士、設計士、技術者など専門性が高い職種のチームでは自己向上行動のスコアが高くなる傾向があります。ただそれだけではチームがバラバラになることもあるので、チーム向上行動を促すようなマネジメントができれば、非常に高いチームパフォーマンスに達することが期待できます。

 

その際、専門性の高い人たちは自分の仕事に誇りをもっているので、チームがバラバラであったとしても「あなたたちのチームはだめですね」という言い方では良くなりません。「チームの力を利用したらもっとすごい仕事ができますよね」というアプローチが効果的です。

 

一方で一般的な職種のチームは逆にチーム向上行動のスコアのほうが高くなる傾向があるので、自己向上行動が取りやすくなるマネジメントを心がけていくべきです。

 

これらの人たちは「すでにチームの雰囲気はいいので、一人ひとりがもっと力を磨いて高めていけるとさらにチームパフォーマンスが上がりますね」という促し方に効果があります。

 

専門性の高低によって傾向があることを示しましたが、必ずしもこうとは限りませんし高度な専門性をもつ人とアシスタント的な人がバランス良く配置されたチームもあります。なかには「うちのような仕事は専門性が高いのか低いのかよく分からない」というチームもあります。それでもスコアを見れば、チームの傾向を判断することができます。

 

とはいえ必ずしも同じスコアにするのが良いということではなく、それは仕事の内容やチーム構成、事業の種類で変わってきます。チームの目的・目標にとって個人力がより重要であれば、自己向上行動のスコアが高いほうがよいですし、逆もまたしかりです。

 

2020年に298チームを対象に行った調査では、約6割がチーム向上行動のスコアのほうが高くなっていました。約4割は自己向上行動のスコアが高くなっていましたが、これらのチームは医療職、税理士等の専門資格者、コンサルタントなど専門性が高い職種のチームが多くを占めていました。

 

専門性の高いチームであっても、これからは連携していかないと成果を出すのが難しい時代であることに変わりありません。例えば税理士でも相続税に強い人もいれば法人税に強い人もいますが、顧客は総合的な提案を求めています。したがって高い専門性をもった者同士が連携して対応していかなければ、顧客のニーズに応えられません。チームで対応しなければならないのです。

 

 

橋本 竜也

株式会社日本経営  取締役

 

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※本連載は、橋本竜也氏の著書『TEAM PERFORMANCE チームパフォーマンスの科学』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

TEAM PERFORMANCE チームパフォーマンスの科学

TEAM PERFORMANCE チームパフォーマンスの科学

橋本 竜也

幻冬舎メディアコンサルティング

「科学的アプローチ」でチームパフォーマンスを客観的に評価する! 一人ひとりの社員は優秀なのに、チームパフォーマンスが上がらない…。そんな悩みを抱える管理職・リーダー層に向けた、待望の一冊。 マネジメントにお…

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