「ビジネスで成果を出せる人、出せない人」は「考え方」が違う (※写真はイメージです/PIXTA)

「リーダーが問題解決策を考え、正しい指示を出す」。このような、以前の日本で主流とされた「指示・管理型」のマネジメントは、もはや限界を迎えています。現代におけるビジネス課題は過去に存在しなかったものが大半であり、解決しようにも、リーダー自身の経験が役立たないケースが珍しくありません。先行き不透明な時代でも成果を出し続けるために、チームリーダーはどうすればよいのでしょうか。

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ビジネスの成果を出すには「マインドセット」が重要

マインドセットという言葉があります。スタンフォード大学のキャロル・S・ドゥエック教授が提唱した概念で、これまでの経験や教育、先入観から作られる思考パターンや固定化された考え方のことです。近年では、知識・スキルよりも、マインドセットがポジティブであるか否かが、ビジネスの成果に大きな影響を与えるといわれています。

 

数年先も見通せない時代で企業が継続的に成長するためには、経営陣やリーダー人材だけでなく、従業員一人ひとりの意識や発想を変化や課題に耐え得るものに変えていく必要があります。マインドセットの変化は個々の行動を変えることができると考えられています。

 

■「挑戦し、成長しつづける人」のマインドセットとは?

ドゥエック教授はマインドセットには、大きく2つの傾向があると指摘しています。

 

その一つグロースマインドセットは、自分の能力は伸ばせるという考え方に基づき、自らストレッチなゴールを掲げて、失敗を恐れず、難問にチャレンジし、そこから学ぼうとうする態度です。一方フィックストマインドセットは、才能は固定的(「だめなやつはだめだ」)と考え、失敗を恐れ他人の評価を気にし、フィードバックを危険で怖いものととらえすぐに諦めて成長にブレーキをかけてしまう態度です。

 

フィックストマインドセットの人間は、なかなか変わることができません。変わることを恐れるからです。一般的に結果を褒められて育った人はフィックストマインドセットになりやすく、プロセスを褒められて育った人はグロースマインドセットになりやすいといわれています。

 

ドゥエック教授が子ども数百人を対象に行った実験でも、そのことを裏付ける結果が出ています。

 

まず教授は難しい設問を10問用意し、子どもたちに出題しました。そして、あらかじめ2つに分けていた片方のグループには「8問もよくできたね、頭がいいね」と能力と結果を褒め、もう一方のグループは「よくできたね、頑張ったね」と努力、プロセスを褒めました。すると成績こそ同等でしたが新しい問題に挑戦するかどうかを尋ねると、前者の多くが嫌がり、後者のほぼ全員が喜んで受け入れました。前者は「もし次に点数が落ちたら、頭がいいとはいえなくなる」と心配になったというのです。

 

その後、両グループに簡単な問題を解かせたところなんと前者は成績が落ち、そればかりか得点を問われると4割が水増しして答えました。逆に後者は成績が伸び、意欲的な子どもが増えていきました。結果を褒められたチームが失敗を恐れ、意欲も低下した一方、プロセスを褒められたチームはチャレンジ精神が芽生え、良い成果にもつながりました。

 

■従来、リーダーには「失敗が許されない雰囲気」があったが…

リーダーになるような人は、成績優秀な学生だった人も多いと感じます。したがって失敗を恐れ、自分を変えたくないと考える人も多いのではないかと思います。

 

一度身につけたマインドセットを変えることは容易ではありません。ここまでの人生が染みついているわけですから一朝一夕で変わるものではないのです。しかし不可能なわけではありません。チャレンジを奨励し、失敗を責めないチームのなかで過ごせば変わることは十分あり得ます。

 

ちなみに私は自分の子どもを褒めるときは、絶対に結果を褒めないことにしています。テストで100点を取っても「ふーん」としか言いません。その代わり「どれぐらい勉強したの?」と聞きます。そこで努力の末に勝ち取った100点なら、その努力を褒めるようにしています。あるいは50点だったとしても努力の結果なら、やはりその努力を褒めます。こうすることによってグロースマインドセットをもつ大人になると信じているからです。

 

メンバーに対してもこのような褒め方をすることが、チームパフォーマンスを向上させるうえでは重要だと思います。

「これからのリーダー」に求められる役割

これまでは、自ら正解を導き出し、メンバーに正しい指示をし、やりきらせる人がリーダーに適任とされてきました。しかし社会も顧客も多様化し複雑になった今では、そのようなことはほぼ不可能になりました。個人の力では限界があります。チーム全員で難題に対処していく時代になったのです。

 

そこで自らが先頭に立ってメンバーを率いる以上に、メンバーのもっている力を引き出すことがリーダーの重要なスキルになりました。これからのリーダーの役割は、「チームの目的・目標を示し、メンバーの力を活かしてそれらを実現する者」なのです。

 

そのためにはリーダーやチームの前提を見直さなければなりません。

 

●リーダーにも分からないことがあっていい(なにしろ経験が役立たないのだから)

●個人の力ではなく、メンバーの力を総動員して施策をより良くする

●価値観をそろえるのではなく、多様な価値観を大切にする(そのほうが多様なアイデアが出るから)

●失敗することは構わない。小さな失敗と改善を繰り返しながら向上させていく

 

誰にでも分かることだと思いますが、このようにマインドを変えることは、とても難しいことと思います。しかし適切なチームマネジメントを行いチームパフォーマンスを向上させることで、マインドは変わっていきます。

 

 

橋本 竜也

株式会社日本経営  取締役

 

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株式会社日本経営 取締役 

1999年4月入社後、人事コンサルティング部門にて、中堅・中小企業の人事制度改革、組織風土改善、マネジメント教育に携わる。

2006年には調剤薬局に出向し、社長代行として経営実務も経験し、収益改善と組織改革を実現。コンサルティングにおいては人事改革、組織改革のほか、その組織マネジメントのノウハウを活かして、赤字企業の経営再建コンサルティングも経験。

2013年福岡オフィス開設に伴い、オフィス長に就任。2017年10月より現職。

著者紹介

連載強固なチームを作る「チームパフォーマンスの科学」

※本連載は、橋本竜也氏の著書『チームパフォーマンスの科学』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

TEAM PERFORMANCE チームパフォーマンスの科学

TEAM PERFORMANCE チームパフォーマンスの科学

橋本 竜也

幻冬舎メディアコンサルティング

「科学的アプローチ」でチームパフォーマンスを客観的に評価する! 一人ひとりの社員は優秀なのに、チームパフォーマンスが上がらない…。そんな悩みを抱える管理職・リーダー層に向けた、待望の一冊。 マネジメントにお…

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