「東大に行ったA君はすごい」偏差値ヒエラルキーの重い責任 (※写真はイメージです/PIXTA)

私立高校の教諭としてキャリアを積んだ、株式会社対話教育所の代表取締役・小山英樹氏。本記事では、「偏差値ヒエラルキー」に焦点を当て、解説していきます。

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A君もB君も「すごい、すばらしい」と言える社会を

●偏差値ヒエラルキーからの脱却

「みんなちがって、みんないい」と金子みすゞの詩『私と小鳥と鈴と』にありますが、まさに私たちが目指す教育はそれです。

 

『私と小鳥と鈴と』の詩は小学3年生の国語の教科書(光村図書)に採用され、子どもたちが授業で習います。この詩の鑑賞で子どもたちは多様性や、一人ひとりの個性を大切にすることを学びます。子どもたちにそれを教えるなら、私たち大人も「みんなちがって、みんないい」社会をつくっていかねばなりません。

 

東大を頂点とする偏差値ヒエラルキーから脱却し、多様な学力観・能力観に基づいて自由に学校選択をできる社会になれば、今よりもっと豊かな未来が実現すると思うのです。

 

東大に行ったA君はすごいです。ずば抜けた認知能力、特に処理能力や記憶力を持っています。知的好奇心や集中力に長けているのかもしれません。

 

高校を中退して住み込みで板前修業をするB君もすごいです。親や学校に反発するエネルギーと厳しい修行に耐え抜く忍耐力の両方を持っています。手先の器用さは誰にも負けません。

 

脱偏差値ヒエラルキーの社会は、こうしてA君もB君もそれぞれ「すごい、すばらしい」と心から言える社会です。

 

東日本大震災をはじめとする災害は、偏差値や学歴の無意味さを私たちに教えてくれました。そんなものは関係なく、持っているリソースを惜しみなく他者に提供できることの価値、様々な違いを乗り越えて繋がれることの価値を教えてくれました。その教えを胸に子どもたちと向き合うことから、脱偏差値ヒエラルキーは始まるのではないでしょうか。

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    株式会社対話教育所 代表取締役
    一般社団法人日本教育メソッド研究機構(JEMRO)代表理事
    一般社団法人日本青少年育成協会(JYDA)会員

    1988年、私立高校の教諭として採用。1994年、同校退職後、民間教育機関に入社。コーチングの有用性に早くから着目し、1999年、「教育コーチング」「パパ・ママコーチング」の研究開始。

    2005年、日本青少年育成協会教育コーチング事業(講演・研修・認定制度)開始。2016年、株式会社対話教育研究所設立。

    2019年、一般社団法人日本教育メソッド研究機構設立。教育コミュニケーション(コーチング、アクティブラーニング)のメソッドを確立し、教師力向上・能力開発プログラムを展開する一方、学校・塾・教育委員会・プロスポーツ・企業等において講演・研修活動を行う。その参加者・受講者は15万人を超える。

    主な著書には『この一冊でわかる!アクティブラーニング』(PHP研究所)や、『子どもの心に届く言葉、届かない言葉』(学研)などがある。

    著者紹介

    連載教室改革~「教師」をもっと楽しむために

    ※本連載は、小山英樹氏の著書『教室改革』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

    教室改革

    教室改革

    小山 英樹

    幻冬舎メディアコンサルティング

    「教育コミュニケーション」を実践すれば教師という仕事をもっと楽しめる 校務分掌、保護者対応、職員会議……次々に仕事が湧き出て時間が足りないーー。 教師の本分である教材研究や、生徒の個別対応に割く時間はどんど…

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