【関連記事】頑張って早慶に合格しても「打ちのめされるだけ」という現実
教師集団が「特殊」であることを痛感させられた出来事
九州某県教育センター主催の高校教員研修会で、私はこんな問いかけをしました。
「一般的な企業で年間1億万円の売上があったとします。いろんなコストを差し引いて、最終的に会社に残る利益はいくらぐらいでしょうか?」
この問いに「30%の3000万円」とか「50%の5000万円」とか答える教師が続出したのです。呆然としました。
その瞬間も会場の外の社会では、ビジネスマンや商店主が駆け回っています。それは「3%〜5%」の利益を捻り出すためです。30%も利益を出す会社は、独自性の高い爆発的ヒット商品を有しているか、悪徳業者かのどちらかです。
そうした現実から見れば、その教師集団は「特殊」だと言わざるを得ません。しかもこの研修会は、進路指導主任の集まりだったのです。この出来事から、公教育が周囲に張り巡らせた壁の高さを痛感しました。
壁を造ることで得られるものがあるのでしょう。しかし、そのままでは壁の中で、教師も児童生徒も滅びてしまうような気がしたのです。
私はミッションの一つに「公教育と私教育の壁を取り払う」ことを掲げました。それ以降、私たちが開催する研修・講座やイベントはすべて「公私の交流」をコンセプトにしています。
喜ばしいことに、ここ数年で状況は変わりました。公立学校でも教育センターでも、抵抗なく民間の知見を活用するようになってきました。