(※写真はイメージです/PIXTA)

1991年のバブル崩壊後、長らく経済の落ち込みを見せていた日本。しかし、2021年の首都圏における新築マンションの平均販売価格は1戸当たり6,750万円と、平成バブル期の6,123万円を超えて過去最高を記録するなど、足元の不動産市況には過熱感がみられます。この「平成バブル超え」の実態について、不動産鑑定士として1980年代後半から始まった昭和・平成のバブル期を経験した三浦氏が、当時の状況と比較しながら解説します。

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日本の「不動産バブル度」は世界10位

中国不動産デベロッパー大手、恒大集団の破綻をきっかけに、不動産バブルの崩壊が始まりました。史上最大の規模でしょう。

 

もしいま「日本もバブルですか?」と聞かれたら、「バブルでしょう」と答えます。ちなみに、Real Estate Bubbles(UBS Index2021)によると、世界の不動産バブル度のトップはフランクフルト、次いでトロント、香港と続き、東京は10位にランク付けされています。

 

筆者は、不動産鑑定士の立場で、1980年代後半から始まった昭和・平成のバブル期(以下バブル期と略します)とその崩壊を体験してきました。

 

ただし、バブル期と大きく違う点は、規模が全国的でなく、首都圏を中心に、関西圏およびリゾートエリアの一部地域に限定されていることです

 

現在の不動産市況がバブルかどうか、地価・マンション・不動産投資の視点から、バブル期と現在の首都圏を比べながら説明します。

※以下、平成○年、令和〇年を「(平○)」「(令〇)」と略す

国内最高値の商業地「銀座」…驚きの1坪あたり価格

国土交通省の地価公示価格からみてみると、商業地の最高値である銀座は、1992年(平4)数寄屋橋交差点付近で、1坪あたり1.2億円。2020年(令2)4丁目交差点付近で、1坪あたり1.9億円となっています。

 

不動産業者のなかでは、バブル期では1.5億円まで上昇するのではないかといわれていましたが、現在では2億円を超えるのではないかといわれています。

 

数寄屋橋交差点と4丁目交差点との場所の違いを考慮しても、現在の価格はバブル期の価格を超えていると判断されます。

マンション価格は新築・中古とも「平成バブル超え」

新築価格でみると、2021年(令3)10月の首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県)で発売された平均価格は、1戸当たり6,750万円と、1990年(平2)の6,123万円を超えて過去最高になりました。

 

東京23区でみると2021年は8,455万円です。ちなみに、首都圏での底値は、2002年(平14)の4,003万円です(不動産経済研究所調べ)。

 

ただし、新築マンションの価格をみる場合には注意が必要です。なぜならば、首都圏での供給量はバブル期では年間約9万戸でしたが、現在は3万戸を割り、約3分の1に減少しているからです。

 

また、マンションデベロッパーの数も、バブル期の30社弱から、現在は「メジャー7(セブン)」といわれるように約4分の1に減少しています。

 

次に、中古マンション価格(70m2換算)※をみていきます。

※70m2換算:マーケットでの単価を70m2のマンションに置き直した価格

 

2021年(令3)10月首都圏の価格は4,360万円、東京23区では6,465万です。首都圏での底値は2013(平25)で2,763万円です。(東京カンテイ調べ)

 

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