(※写真はイメージです/PIXTA)

1991年のバブル崩壊後、長らく経済の落ち込みを見せていた日本。しかし、2021年の首都圏における新築マンションの平均販売価格は1戸当たり6,750万円と、平成バブル期の6,123万円を超えて過去最高を記録するなど、足元の不動産市況には過熱感がみられます。この「平成バブル超え」の実態について、不動産鑑定士として1980年代後半から始まった昭和・平成のバブル期を経験した三浦氏が、当時の状況と比較しながら解説します。

不動産投資の利回りを比較すると…5%から3%に下落

投資ではイールドギャップ、すなわち、投資の利回りから長期金利を引いた差をみます。

 

不動産投資では、物件の利回りと借入金の金利の差にあたります。

 

利回りには、表面(粗利)利回りと実質(ネット)利回りがあり、不動産広告では年間コストを考慮していない表面利回りの表示が一般的であるため注意が必要です。

 

収益用不動産の運用では修繕費や管理費、固定資産税等の経費が必要ですし、家賃収入では空室率や家賃変動のリスクを考慮する必要があります。

 

当然、投資判断をするには、実質利回りをみなければなりません。

 

しかし、実際の入居状況や家賃の水準、修繕の状況などのデータはオーナーが保有していますので、情報開示に困難があり、実質利回りの判断には難しさがともないます。

 

不動産マーケットの取引利回り

丸の内・大手町地区にあるトップクラスのオフィスビルを想定した取引利回りは、2003年(平15)の5.0%から2018年(平30)には3.0%まで下落し、その後は現在まで横ばいが続いています(日本不動産研究所投資家調査より)。

 

利回りの5%から3%への下落は、約70%の物件価格の上昇を意味します。なお、トップクラスとは誰もが欲しがるピカイチの物件を指します。

 

また、日銀の政策金利をみると、2008年(平20)10月に0.5%から0.3%に引き下げられ、同年12月には0.1%へ。さらに、2013年(平25)には0.0%、2016年(平28)1月には初めてマイナス0.1%となり、その状態が現在まで続いています。

 

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