前回は、B氏(世帯年収5000万円)の不動産投資の事例を紹介しました。今回は、減価償却を活用した節税の具体策などを見ていきましょう。

金融資産が潤沢なら「長期保有」前提の戦略が可能

前回の続きです。

 

購入物件(1棟目)

[データ]大阪市内築20年RC造一棟マンション

[金額]1億5000万円(都市銀行からのフルローン:返済期間27年、金利1.2%)

[表面利回り]7.9%

[FCR(ネット利回り)]6.2%

 

Bご夫妻は金融資産を十分に備えられていることから、大手都市銀行からの低金利融資を受けられると判断しました。そこでまず、当社の提携銀行でBご夫妻の属性審査を完了していただきました。物件選定前に審査を済ませておくことで、良い物件が出てきた際にスピード感を持って対応できるからです。

 

審査後、想定通り好条件の物件をご紹介できることになりました。大阪市内に立地するRC造・築20年の一棟マンションです。Bご夫妻に紹介したところ、購入を即決断していただきました。その後、先ほどの都市銀行で金利1.2%のフルローン、返済期間27年という好条件で融資を受け、無事物件をご購入いただくことができました。属性審査を完了していたことから、融資決定から物件購入までスムーズに展開できたのです。

 

この物件は出口をそれほど考慮せず、節税よりも長期保有を前提に資産を築くのが目的です。値上がりすれば売却し、キャピタルゲインを獲得してもいいでしょう。Bご夫妻は金融資産があるため、わらしべ長者的に数年間で不動産を組み替える戦略ではなく、長期保有前提の戦略が立てられるのです。

 

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減価償却を利用した節税スキームとは?

〈個人〉

個人の場合、Bご夫妻はともに最高税率(平成26年現在)の所得層に属しているため、重い税負担に悩んでいました。また、平成27年1月からは4000万円を超える所得において増税が確定していることもあり、新たに設立した資産管理法人からの役員報酬なども考慮すると、早急な節税が必要となります。

 

そこで、減価償却を利用した節税スキームをご提案しました。具体的には、法定耐用年数を超えた木造・軽量鉄骨造を購入する方法です。木造物件の減価償却期間は4年なので、4年で建物部分を減価償却し、不動産所得をマイナスにします。そして、給与所得との損益通算により所得税・住民税を節税していくやり方です。

 

ポイントは、給与所得と不動産所得の総合課税の税率50%から、不動産譲渡益の税率20%の差を利用する点です。結果、多少乱暴な言い方ですが減価償却部分の30%が節税となります。本連載の第1回・第2回でご紹介したAさんと基本は同じ考えなので、参考にしてみてください。

 

今後の展開

法人については、現在1棟目は問題なく管理運営できているため、2棟目取得に向けて進めているところです。2棟目取得に際しては、別途法人を作り融資を受けるスキームを提案中です。

 

個人の節税用物件については、土地が広いアパートを希望されているため、ご紹介できる物件は少ないのですが、1年以内の取得を目指しています。

 

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本連載は、2014年11月4日刊行の書籍『はじめての不動産投資 成功の法則』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。※事例は実例を紹介していますが一部編集しています。また、理解することに重きを置くために数値を簡略化しております。不動産取得や売却に係る諸経費は考慮していません。税金計算についてもが、概算値を採用しています。

はじめての不動産投資成功の法則

はじめての不動産投資成功の法則

藤原 正明

幻冬舎メディアコンサルティング

東京五輪による地価上昇の影響もあり、注目を集めている不動産投資。 しかし、実際に投資をはじめようとしてもはじめての人には分からないことだらけでなかなか手が出ない、ローリスクと聞いて始めてみたけれど、成功というに…

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