(※写真はイメージです/PIXTA)

昨今、老年期の「もの忘れ」や「判断ミス」「異常な言動」といった症状が、安易に「認知症」とひとくくりに診断されています。老年期の精神疾患に関する知識が不足した医師が、実は多く存在しているのです。そこで認知症を「正しく診られる主治医」探しについて、医療法人昭友会・埼玉森林病院院長、認知症専門医の磯野浩氏が解説していきます。

信頼できる情報を得られる場所は「2通り」

その一つは「地域包括支援センター」です。

 

地域包括支援センターは自治体やエリア単位で設置され、高齢者の生活を支援する総合窓口です。認知症初期集中支援チームの拠点にもなっており、地域の医療機関にも詳しいので、問い合わせをすればチームに関わりのある医師や評判の良い医療機関を教えてもらえます。

 

高齢者と同居していても、健康であればつながりをもつ機会のなかなかない機関ですが、一般の人でももちろん相談、問い合わせできますので、利用する価値はあると思います。

 

そして、「ケアマネジャー」です。

 

すでに要介護度認定を受けていて、担当ケアマネジャーがいれば、その人に聞いてみると有益な情報が得られると思います。ケアマネジャーは地区ごとに定期的にケアマネ同士の情報交換の機会を設けており、そのなかで、認知症を診る医療機関についても話し合われることが多いのです。

 

いずれも、ネットで探すだけでは見えてこない、実際に医療機関と関わりのある人の生の意見を聞くことができ、情報の信頼性も高いと思います。

 

結局「この先生にかかって良かった」といった評判は口コミで広がりやすいものです。一般の人は「優しい先生だった」などの人柄に偏った口コミになりがちですが、地域の医療、介護、福祉に携わっている人は、各々の専門家として診療や人物像を評価していますので、口コミよりも、医師選びに役立つ実用的な内容が多いといえます。

 

 

磯野浩

医療法人昭友会 埼玉森林病院 院長

※本連載は、磯野浩氏の著書『認知症診断の不都合な真実』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

認知症診断の不都合な真実

認知症診断の不都合な真実

磯野 浩

幻冬舎メディアコンサルティング

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