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未登記土地が生まれてしまう理由とは?
「未登記土地」や「所有者不明土地」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは、相続が起きた後に相続登記が行われず、亡くなった人の名義のままで長年放置されてしまった土地を指します。
土地が故人名義のままであれば、仮にその土地を行政などが活用しようとしても、誰に許可を取ればよいのかわかりません。その結果、どうすることもできない「死んだ」土地となってしまうことが、社会問題となっているのです。
では、なぜこうした未登記の土地が生まれてしまうのでしょうか? その理由にはその土地ごとにさまざまなものがあると考えられますが、主な理由としては次のようなものが考えられます。
■相続登記が義務でなく、登記せずとも実害がなかった
未登記の土地が生まれてしまう最大の理由として考えられるのは、相続登記が義務ではなかったことです。義務ではない以上、名義変更を放置したところで、法的に罰せられることもありません。
相続登記をしなければ、後述するように、その不動産を売却したり担保に入れたりすることはできません。そのため、利用価値の高い都会の不動産であれば、きちんと相続登記をする人が多いのです。
しかし、比較的辺鄙な場所にある田舎の土地などであれば、売っても大きなお金にはならないばかりか、売り手さえもつかない場合もあるでしょう。
そのため、名義をそのまま放置したところで、相続人にとって実害はないのです。これも、未登記の土地が生まれてしまう理由の一つだといえます。
■問題を先送りにするため
価値を生んでくれるどころか面倒でしかない田舎の土地の場合、相続人が誰も引き受けたがらない場合もあります。財産の取り合いではなく、押し付け合いです。
そうしたなかで問題を先送りにするため、あえて故人名義のまま放置をする場合もあります。
また、相続登記をするには、ある程度の費用や手間が掛かります。
それでも、価値のある不動産や現在使用している自宅の不動産などであれば、ほとんどの場合、きちんと登記をします。
しかし、特に利用価値がないと感じている土地であれば、あえて手間や費用をかけてまで相続登記をしようとしない人がいるのも頷けます。これも、土地が未登記のままとされてしまう理由の一つでしょう。
法改正で登記が義務化…未登記土地のままでは罰則も!?
ここでは、未登記土地の罰則について解説していきます。
相続登記を行わず土地の名義を故人のままとすることに、罰則などはあるのでしょうか? これについては各種法令の改正があり、今後施行される予定ですので、改正後の内容も踏まえて解説します。
2022年1月時点では、土地の相続登記は義務ではありません。義務でない以上、土地の名義を故人のまま放置したとしても、罰則もないのが現状です。
しかし前述のとおり、未登記土地が社会問題となっていることから、相続登記を義務化するため、2021年4月21日に民法や不動産登記法などの改正法が成立しました。この改正により、相続登記が義務づけられます。
そして、相続登記に期限も設けられました。期限は、土地の取得を知った日から3年以内です。正当な理由なくその期限内に申請をしなかった場合には、10万円以下の過料に処される旨も定められました。
この改正法は、2024年4月1日に施行される予定です。改正法施行後は期限も意識しつつ、速やかに相続登記を行うようにしましょう。
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