先代名義のままの「未登記土地」…放置期間が長いほど解決が難しくなるワケ【弁護士が解説】 (写真はイメージです/PIXTA)

相続があったにも関わらず、登記が故人のままになっている土地。「未登記土地」や「所有者不明土地」などといわれますが、どのような問題があるのでしょうか。相続に詳しいAuthense法律事務所の柳川智輝弁護士が解説します。

【関連記事】長女が使い込んだ「亡母の預貯金2,500万円」を次女が取り戻す方法【弁護士が解説】

未登記土地が生まれてしまう理由とは?

「未登記土地」や「所有者不明土地」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

 

これは、相続が起きた後に相続登記が行われず、亡くなった人の名義のままで長年放置されてしまった土地を指します。

 

土地が故人名義のままであれば、仮にその土地を行政などが活用しようとしても、誰に許可を取ればよいのかわかりません。その結果、どうすることもできない「死んだ」土地となってしまうことが、社会問題となっているのです。

 

では、なぜこうした未登記の土地が生まれてしまうのでしょうか? その理由にはその土地ごとにさまざまなものがあると考えられますが、主な理由としては次のようなものが考えられます。

 

■相続登記が義務でなく、登記せずとも実害がなかった

 

未登記の土地が生まれてしまう最大の理由として考えられるのは、相続登記が義務ではなかったことです。義務ではない以上、名義変更を放置したところで、法的に罰せられることもありません。

 

相続登記をしなければ、後述するように、その不動産を売却したり担保に入れたりすることはできません。そのため、利用価値の高い都会の不動産であれば、きちんと相続登記をする人が多いのです。

 

しかし、比較的辺鄙な場所にある田舎の土地などであれば、売っても大きなお金にはならないばかりか、売り手さえもつかない場合もあるでしょう。

 

そのため、名義をそのまま放置したところで、相続人にとって実害はないのです。これも、未登記の土地が生まれてしまう理由の一つだといえます。

 

■問題を先送りにするため

 

価値を生んでくれるどころか面倒でしかない田舎の土地の場合、相続人が誰も引き受けたがらない場合もあります。財産の取り合いではなく、押し付け合いです。

 

そうしたなかで問題を先送りにするため、あえて故人名義のまま放置をする場合もあります。

 

また、相続登記をするには、ある程度の費用や手間が掛かります。

 

それでも、価値のある不動産や現在使用している自宅の不動産などであれば、ほとんどの場合、きちんと登記をします。

 

しかし、特に利用価値がないと感じている土地であれば、あえて手間や費用をかけてまで相続登記をしようとしない人がいるのも頷けます。これも、土地が未登記のままとされてしまう理由の一つでしょう。

法改正で登記が義務化…未登記土地のままでは罰則も!?

ここでは、未登記土地の罰則について解説していきます。

 

相続登記を行わず土地の名義を故人のままとすることに、罰則などはあるのでしょうか? これについては各種法令の改正があり、今後施行される予定ですので、改正後の内容も踏まえて解説します。

 

2022年1月時点では、土地の相続登記は義務ではありません。義務でない以上、土地の名義を故人のまま放置したとしても、罰則もないのが現状です。

 

しかし前述のとおり、未登記土地が社会問題となっていることから、相続登記を義務化するため、2021年4月21日に民法や不動産登記法などの改正法が成立しました。この改正により、相続登記が義務づけられます。

 

そして、相続登記に期限も設けられました。期限は、土地の取得を知った日から3年以内です。正当な理由なくその期限内に申請をしなかった場合には、10万円以下の過料に処される旨も定められました。

 

この改正法は、2024年4月1日に施行される予定です。改正法施行後は期限も意識しつつ、速やかに相続登記を行うようにしましょう。

 

【5/20 関連セミナー開催】
不動産価値創造企業「レーサム」不動産小口化商品、待望の第2弾商品説明会

Authense法律事務所 弁護士

第二東京弁護士会所属。東京大学法学部卒業、東京大学大学院法学政治学研究科修了。
遺産分割協議や遺留分侵害額請求、遺言無効確認など、相続に関わる様々な紛争案件の解決実績を持ち、遺言作成などの生前対策や事業承継、信託にも精力的に取り組む。
相続のみならず、離婚問題などの家事事件にも注力。また、建築紛争やスポーツ法務といった新たな分野にも意欲を持つ。
依頼者の意思を尊重しながらも客観的に物事を捉え、様々な選択肢を提示したうえで、納得できる解決に向けて尽力することを信条としている。

Authense法律事務所(https://www.authense.jp/)
Authense遺言・遺産相続(https://www.authense.jp/souzoku/)

著者紹介

連載Authense法律事務所の柳川智輝弁護士が解説!もめない相続を実現する方法

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧
TOPへ