税務申告で申告ミスや不正を疑われた場合、税務調査が入ることがあります。突然やってきた調査官に帳簿などの資料を求められたら、こちらに落ち度がなくても戸惑ってしまったり、焦ったりするものです。普段からできる対策をみていきましょう。

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課税強化の影響で、不動産投資家も調査対象に

税務調査とは、個人や法人が申告した内容について、税務署などが帳簿などを確認し誤りを指摘したり、税金の未納があれば追徴課税を課したりするものです。調査官が自宅や事務所に直接やってくることを指すことが多いですが、「お尋ね」という書類に回答するよう求められたり、資料を持って税務署に来るよう指示されたりすることもあります。

 

国税庁によると、申告件数の増加や経済取引の国際化などで業務量が増え、中身も複雑化していることもあり、納税者数に占める調査件数の割合は、法人・個人ともに減少しています。

 

1989年(平成元年)は法人が8.5%、個人が2.3%だったのが、2016年(平成28年)は法人が3.2%、個人は1.1%となっています。

 

しかし、翌年に国税庁が発表したレポートによると、いわゆる富裕層の人たちへの課税強化が示されており、税務調査件数が前年比124.6%、追徴税額が同139.4%といずれも高い伸びとなっています。

 

不動産投資家も規模によってはこうした課税強化の対象になる可能性は十分にあります。

 

税務調査の対象となりやすい業種とは?

どんな業種に税務調査が入っているのかを国税庁がランキングとして発表しています。それによると、上位10位は以下のような業種です。

 

出典:国税庁「事業所得を有する個人1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種」
出典:国税庁「事業所得を有する個人1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種」

 

全体的な傾向を見ると、風俗関係や水商売などが上位を占め、そこに建設や土木、運送などが続く構図が見て取れます。3位にランクインしているプログラマーについては、前回11位からのランクアップなので、ITワーカーの価値が高まってきたことによる収入増で税務当局も目を光らせているということなのでしょう。

 

なぜこれらの業種が上位にランクインしやすいのかというと、売り上げを隠しやすく、商品ではなく役務(サービス)を提供する業種は利益を操作しやすいという背景があるからのようです。

 

不動産投資の場合は物件の価格や家賃などが書面によって証明しやすいため、これらの業種と比べると税務調査が入りやすいということは考えにくいかもしれません。

 

とはいえ、不動産投資は現金商売です。税務当局は現金商売の業種に対して目を光らせている傾向があります。

 

家賃などの支払いは基本的に振込なので銀行の取引履歴からお金の流れを追うことは容易ですが、手渡しで支払われている場合はそれが困難になります。

 

このように個人を顧客として現金がやり取りされる業種は、不動産投資も含めて税務調査の対象になる可能性が十分にあることを認識しておくようにしましょう。

 

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本連載は、リズム株式会社が発信する「不動産コラム」の記事を転載・再編集したものです。

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