従業員の年齢に偏りがある場合は特に注意
従業員の年齢については、理想は年齢が高い従業員を頂点に、ピラミッド型に割合が構成されているのが理想だと言われます。
中小企業で従業員数がそれほど多くない場合には、年齢層に偏りがあることはよくあることでやむを得ないと言えるかもしれません。しかし、ある年齢層だけが突出して多いというのでは問題です。なぜならば、その年齢層が退職時期を迎えると、会社の力が大きく低下してしまうことがあるからです。
特に技術職でそうして突出した年齢層がある場合には要注意です。技術の伝承がうまくいかず、会社にとっては致命傷になりかねません。従業員の各年齢層を平均化させるためにも、特に若い社員の定着率を上げ、業務におけるノウハウを伝承させていく必要があるでしょう。
ベテラン従業員からの技能継承で「人材力」を保持
もし、現状で早期に退職してしまう従業員が多いとすれば、事業承継までに従業員教育の抜本的改革の目処を経営者が先導して立てていくべきです。最低でも、事業承継時までに現在の人材力を保持できる、もしくはベテラン従業員から若手従業員への技能継承を完了させていなければ、後継者の時代になってからそう遠くないタイミングで、人材不足あるいは著しい技術力の低下が起こってしまうものと考えてください。
後継者が経営を担う新体制になっても、ベテラン従業員や現幹部社員にはその経験や知見から後継者を支えてもらい、また若手従業員の教育係としての役目もあります。できる限り、最後まで勤め上げてもらうのがよいでしょう。