アルバイトにも年間300万円の新商品を市営る権限があるという。

アルバイトにも300万円の新商品の仕入れる権限を与えて始めて権限移譲ができたという。飯田屋6代目店主は「権限移譲は最高の教育」と語ります。しかも絶対に採算が採れる教育費と断言する理由を、著書『浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟』(プレジデント社)で明らかにします。

大きな枠があってこそ自由に動ける

従業員たちは、それぞれが僕にはない感性を持っています。それぞれの目線で、お客様を喜ばせるための方法を考えてくれています。それを生かしよりよい店づくりにつなげるには、より多くの目を、より多くの道具に触れさせて、より優れたバイヤーを一人でも増やすべきなのです。

 

展示会に連れていくことで、メーカーとの交流や道具に触れる機会が増え、これまでより商品への興味が深まっていきます。休日にほかの道具店に足を運んだり、スーパーで道具をチェックしたりと、私生活の中でも道具に接する頻度が増えてきたようです。

 

また、メーカーからの売り込みは、僕だけではなく従業員も受けます。メーカーから得た商品知識は接客時にお客様の困りごととを聞く際に役立ち、喜ばれる商品とは何かを見極めてそれを仕入れに反映させることにつながるからです。

 

■権限移譲は最高の教育

 

2014年ごろからは、さらにわかりやすく権限委譲しました。

 

アルバイトは300万円。
正社員は500万円。
役職者は2000万円。

 

年間にこれらの金額までは、お客様に喜んでいただくためなら自由に使ってよいこととしました。多くの場合は仕入業務に使われます。

 

最初は上限を決めずに「とにかく好きに使っていい」という指示だけを出しましたが、誰も動きません。ようやく使う者が現れましたが、わずか数万円程度の仕入れを行っただけでした。

 

飯田屋の仕入れ金額は2億円規模。たった数万円の仕入れでは、会社として新しいチャレンジをしたといえる規模ではありません。

 

しびれを切らした僕が「100万円くらい思いっきり使ってみれば?」と声をかけると、数十万円ほどの金額ですが、やっと新しい挑戦が始まりました。このとき、人はある程度の枠がないと動けないことに気づいたのです。

 

「好きにやっていいよ」と言われても、その言葉通りには行動できないものです。「好きにやりすぎて怒られるかもしれない」というリスクを懸念して、動けないのです。

 

また、小さな枠を設定してしまうと、ほんの小さな取り組みで大きな挑戦をした気になってしまいます。簡単には手が届きそうにない大きな枠があって初めて、自由に動けるようになります。

 

その枠が先ほどの金額です。部課長で2000万円の裁量権を与えて、やっと500万円程度を使った取り組みが始まりました。

 

もちろん報告はしてもらいますが、この金額内なら何をしてもかまいません。これまでに、新商品の仕入れはもちろん、ショップカードの作成やオリジナルTシャツの販売、出張販売の開催など、さまざまな挑戦が行われています。

 

次ページ権限は自由度が高いほど成果があがる

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    ※本連載は飯田結太氏の著書『浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟』(プレジデント社)を抜粋し、再編集したものです。

    浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟

    浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟

    飯田 結太

    プレジデント社

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