(写真はイメージです/PIXTA)

電子契約サービスを導入する企業が増えていますが、電子契約は紙の契約(書面での契約)と比べてどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。本記事では、企業法務に詳しいAuthense法律事務所の弁護士の西尾公伸氏が、電子契約サービス導入のメリットとデメリットを解説します。

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電子契約とは

電子契約は、従来紙によって作られていた契約書を電子的に作成する契約方法です。紙で契約書を作成するのに比べて、製本、押印、郵送等の手間がなくなり、離れた場所にいても容易に契約手続きを完了できるなどのメリットがあります。

 

ちなみに、電子契約には、電子署名を誰が行うかによって、「当事者署名型」と「事業者(立会人)署名型」と大きく2つの種類に分かれます(そもそも電子署名を使用しない電子契約もありますがここでは省略します)。

 

「当事者署名型」というのは、その名のとおり契約をする本人たちが電子署名を行うものです。ただ、電子署名を行うには、あらかじめ認証局に登録しておく必要があるなど手間がかかります。

 

「事業者(立会人)署名型」というのは、電子契約サービスの提供事業者が、利用者の指示に基づいて電子署名を付すものです。利便性が高いため、今普及している多くはこの「事業者(立会人)署名型」です。

電子契約には「法的リスク」がある?

令和2年5月28日、『クラウド上の契約に法的リスク 20年前施行の法が壁に』とのタイトルで電子契約に関する特集記事が日本経済新聞で掲載・配信されました

※出所:日本経済新聞(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59603460W0A520C2000000/)

 

電子署名については、電子署名法(電子署名及び認証業務に関する法律。以下同じ。)が、紙の契約書に押印したのと同じ法的効力を持つ要件について規定しているのですが(電子署名法3条)、この規定が、現在普及している「事業者(立会人)署名型」の電子契約には適用されない可能性があるという内容でした。

 

契約自体の有効性が否定されるわけではないのですが、電子契約におけるリスクとして捉えられ、電子契約に対するリスクに焦点が当たってしまうという影響があったように思います。

 

実際、「契約が有効でなくなる可能性があるというしやはり不安だ」という方がちらほらいらっしゃいました。その後、政府見解が公開され、「事業者(立会人)署名型」でも、一定の要件のもと、電子署名法3条が適用されることが明確にされたのですが、この記事等の印象から、不安がぬぐえないかたもいると思います。

 

そこで、電子契約は本当に大丈夫なのか、紙の契約書と比べてどんなメリット・デメリットがあるのか、簡単に見てみたいと思います。

 

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本記事はAuthense企業法務のブログ・コラムを転載したものです。

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