(※写真はイメージです/PIXTA)

「最近、生活保護をもらっていたのだけれど、働かせてもらえないかとか、長年引きこもりだったのだが、雇ってもらえないかという話が増えてきています。父兄とか、周囲の人とか。本人からの場合もないではない。正直言って、生活保護をもらっていたと聞いて、働けるのかなと不安があったのは事実です。しかしそうした状態から何とか抜け出させてあげたいという気持ちもあり、引き受けてみたんです……」中小企業家同友会の取り組みをレポートします。

卒業生の働く姿に学校の先生も感動

この日、福山駅前を出たバスは空調機用フィルターの製造販売を行っているアサヒフィルタサービス、ワンライトとその兄弟会社で印刷物の企画デザインを行っているツー・プライ、それに鋼材加工販売の日鐵鋼業の3社を見学。

 

その間、昼食に寄ったレストランで、建築金具の製造販売を行っている広島金具製作所と、従業員は2000人を超え、売り上げも390億円余(2016年9月期)という、福山市を中心に中国・四国地方に店舗展開する中堅ドラッグストア、ププレひまわりの2社で働く支援学校OBが姿を見せ、先生たちに近況を報告した。

 

ププレひまわり大門店で働くMさんは、棚に並んだ商品が期限切れになっていないか確認、並べ替える「前出し」作業がメインの仕事。ほかには清掃作業などを行っている。最近、前出しが早くできるようになったと、はにかむように笑顔で報告し、顔なじみになったお客さんのひとりから「この店に来てくれて、ありがとう」と言われたことが、何よりもうれしいとも語った。見ている先生たちの表情もなごむ。

 

先生の一人は、この日強く印象に残ったこととして、「卒業生の働いている姿を見、仕事について話を聞いて、日々、成長している様子と笑顔が大変心に残りました」と、アンケートに書き残している。

 

また別のある先生は、このバスツアーによる企業と生徒とのさらなるマッチングに期待を寄せるように、次のように記している。

 

「人ごとではなく、いま担任している生徒がここで働くなら(どうなんだろう)と、具体的にイメージしながら見学させていただきました。魅力的な企業ばかり。まだほかにもいろいろな企業があるのでは。あとはマッチング。まじめで働き者の生徒さん多数です。よろしくお願いします」

 

先生たちの期待が、十分に伝わってくる。

 

話が前後するが、先行して見学したワンライトは手書き連続伝票の製造からスタートし、カセット伝票や建設業界向け会計システムの開発で業界に先行して業容を拡大、その後出荷用段ボールを自社製造するとともに、デザイン部門としてツー・プライを設立している。

 

ワンライトの出荷部門でも障害のある社員が活躍していた。「彼は伝票を見ると、即座に段ボールを指定された大きさに切断、箱に組み立て、商品を梱包して出荷寸前の段階にまでもっていく。そのスピードと正確さ、根気強さは、健常者はとても及ばないですね」と案内してくれた高橋宏之社長も驚くほどだ。

 

清丸 惠三郎
ジャーナリスト
出版・編集プロデューサー

 

 

※本連載は、清丸惠三郎氏の著書『「小さな会社の「最強経営」』(プレジデント社、2019年10月刊)より一部を抜粋・再編集したものです。肩書等は掲載時のまま。

小さな会社の「最強経営」

小さな会社の「最強経営」

清丸 惠三郎

プレジデント社

4万6千人を超える中小企業の経営者で構成される中小企業家同友会。 南は沖縄から北は北海道まで全国津々浦々に支部を持ち、未来工業、サイゼリヤ、やずや、など多くのユニークな企業を輩出し、いまなお会員数を増やし続けて…

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