(写真はイメージです/PIXTA)

仮想空間につくられたオフィスであるVRオフィスやバーチャルオフィス。コロナ禍を背景に導入する企業がみられます。本記事では、企業法務に詳しいAuthense法律事務所の弁護士の西尾公伸氏が、VRオフィスやバーチャルオフィスの概要や導入するにあたっての課題について解説します。

VRオフィス・バーチャルオフィスを導入する際の課題

VRオフィスやバーチャルオフィスの導入には課題もあります。代表的なものは次のとおりです。

 

■就業規則などの大幅改定が必要となる

 

VRオフィスやバーチャルオフィスを導入し、実際に仮想空間に従業員を出勤させるためには、就業規則や社内規程などの大幅な改訂が必要となる場合があります。

 

また、従業員の中にはVRオフィスやバーチャルオフィスへの出勤を好まない人がいる場合もあり、場合によっては離職者が出る可能性もあるでしょう。

 

■電子契約や電子印鑑などの環境整備が必要となる

 

VRオフィスやバーチャルオフィスを導入する以上、現実のオフィスへはできるだけ出勤することなく業務を進める流れを構築する必要があります。

 

そのような際の障壁となりうるのが、契約書などへの押印です。VRオフィスやバーチャルオフィスの導入を検討する前に、電子契約や電子印鑑などの仕組みを整える必要があるでしょう。

法整備が追い付いていない

VRオフィスやバーチャルオフィスはまだまだ新しい仕組みであり、法の整備が追いついているとは言いづらいのが現状です。

 

許認可が必要となる業務については、現実のオフィスがあることが前提となっている場合も少なくない他、中には現実のオフィスに責任者を常駐させることが許可の要件になっている場合もあります。

 

また、海外に在住する人を雇用する場合には、法の規制や給与支払い時の源泉徴収など、大小さまざまなルールを確認しておく必要があります。適法にVRオフィスやバーチャルオフィスを導入するには個別の検討が必要となる場合が少なくないため、導入にあたってはまず弁護士へ相談すると良いでしょう。

まとめ

VRオフィスやバーチャルオフィスは、まだまだ新しい仕組みです。現状は課題も多いものの、今後より一層技術が向上し法整備も追いついていけば、導入する企業も増えていくことでしょう。

 

導入にあたって規程の整備や適法な運用にお困りの際は、弁護士へご相談ください。

 

 

西尾 公伸

Authense法律事務所 弁護士

 

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本記事はAuthense企業法務のブログ・コラムを転載したものです。

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