(※写真はイメージです/PIXTA)

4ヵ月連続で家賃を滞納している借主に対し、物件オーナーは賃貸借契約の解除を申し出ました。しかし、借主は「保証会社が立て替えて払っているのだから、家賃の滞納はない」と反論し、解除を拒んでいます。このような場合、賃貸借契約は解除されるのでしょうか。賃貸・不動産問題の知識と実務経験を備えた弁護士の北村亮典氏が、実際の裁判例をもとに解説します。

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滞納分は保証会社が立て替えていると解除を拒む賃借人

【アパートオーナーからの相談】

私は、所有しているアパートを、賃借人に月額7万5000円の家賃で賃貸しました。契約の際は、賃借人には保証会社と契約することを条件としてもらっています。

しかし、この賃借人が家賃を徐々に滞納するようになり、4ヶ月分連続で家賃の滞納をしました。

滞納した家賃は、その都度保証会社が立て替え払いをしていたのですが、このように滞納が続いた以上、信頼関係が破壊されたとして解除通知を出しました。

しかし、賃借人からは、「保証会社が立て替えて払っているのだから、家賃の滞納はない」と反論され、解除を拒んでいます。

このような賃借人の主張は認められるのでしょうか。

 

【説明】

賃貸借契約においては、賃借人は契約時に保証人を立てる必要があることは半ば当然の取引慣行となっています。

 

もっとも、近年は保証人を立てることに代えて、家賃保証会社を利用する賃貸人が増えています。賃貸人側としても、個人の保証人よりも家賃保証会社の方が賃料の回収が図れる可能性が極めて高いというメリットがあるからです。

 

家賃保証会社を利用した場合、通常は、賃借人が家賃を滞納すると、家賃保証会社がすぐに滞納家賃を賃貸人に支払い、その後家賃保証会社が賃借人に求償請求をする、という流れで進みます。

 

このため、賃借人が家賃を滞納してもすぐに家賃保証会社が支払うため、滞納賃料額が通常解除が認められる目安の3ヶ月分にまで達しないということも生じてきます。

 

そうなると、本件のように、賃借人が家賃の滞納を続けていてそれが長期間続き、賃貸人としては信頼関係が失われたとして解除したいと考えても、家賃保証会社による支払いにより形式上は滞納額が残っていない場合、果たして賃料滞納を理由とした解除ができるか、ということが問題となるわけです。

 

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※本記事は、北村亮典氏監修のHP「賃貸・不動産法律問題サポート弁護士相談室」掲載の記事・コラムを転載し、再作成したものです。

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