「滞納賃料債権」を譲り受けていれば契約解除が可能
しかし、本件の事例のように、
には、当該滞納賃料が新所有者に帰属します。そして、新所有者が当該滞納賃料の請求をして、その支払がなされない場合には、新所有者と賃借人との間の信頼関係は破壊されたということできますので、新所有者も契約の解除が可能となる、と考えることができます。
この問題を論じた裁判例が東京高等裁判所昭和33年11月29日判決の事例です。
この判決は、本件と同じく、新所有者が前所有者の間で発生していた滞納賃料についても譲り受けていたという事案において、
と述べた上で、
と判示しました。
この事案では、新所有者の元でも新たに賃料の滞納が生じていたことが伺われますが(ただし、その期間は不明)、いずれにしても、①の判示から、賃貸借契約の当事者が延滞賃料債権の譲渡受けた場合の解除を認める趣旨での判示であると解釈することはできます。
※この記事は、2020年3月29日時点の情報に基づいて書かれています(2021年12月28日再監修済)。
北村 亮典
弁護士
こすぎ法律事務所
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