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ギャンブルとは別物…「投資運用」の正しい知識を
投資運用と聞くと「儲かる株の銘柄を当てる」とか「安いときを狙って買い、高いときを狙って売る」といった売買をイメージするかもしれませんが、それは投資というよりギャンブルに近いものです。
そのようなギャンブルではなく、安心できる資産形成のための「投資」の理論では、どの銘柄やどの国の市場が成長するのか、また、いつ値下がりして、いつ値上がりするのかといったことは予測できないということを前提にします。
そこで、短期的な価格変動による利益を求めるのではなく、長期的な経済の成長から利益を得るという考え方を取ります。
例えば株式なら、世界中のさまざまな国の株式市場に広く薄く投資をして、世界の長期的な経済成長に応じた、株式市場の成長を待つのです。また、短期的な値動きに左右されないように、一度にまとめて買うのではなく、タイミングをずらして、少しずつ投資していくことがよいとされます。
このように「長期・分散」の投資が基本になります。そしてその次に、その人ごとのライフステージに応じたリスクの取り方を考えます。
例えば、まだ若くて今後の投資期間を長く取れる人なら、一時的な減少があっても、長期的に大きなリターンが取れる可能性のあるような投資を選ぶこともできます。一方、定年退職が近くなる人は、変動が少ない投資内容のほうが安心です。
ところが、実際に企業型確定拠出年金導入企業の加入者に話を聞くと、まだ若いのに利息がほぼゼロの定期預金で運用していたり、逆に、もう50代半ばなのに、リスクの高い株式タイプの商品1本で運用をしていたりなど、不適切な運用の例がよく見られます。