自社の退職給付金制度への満足度…「80点」の内訳
今後の運用成果に個人としても期待
中退共は、社長や役員は加入できません。一方、役職に関係なく加入できるのが企業型確定拠出年金の特長です。そこで、実際A理事長ご自身も企業型確定拠出年金に加入しており、リタイアメントプラン対策として大きく期待しているといいます。
A理事長は現在40歳代前半ですが、企業型確定拠出年金は現在最長65歳まで、2022年の制度改正により、70歳まで掛金の拠出ができる(さらに75歳まで運用可能)ことになる予定です。そうなれば、いまからでもまだ30年近い積立と、30年以上の運用が可能です。自身の老後資金対策としても十分に役立つだろうと考えています。
最後にA理事長に、「現在の自社の退職給付金制度に対する満足度」を聞くと、80点という答えが返ってきました。
「企業型確定拠出年金の仕組みについては100点に近いぐらい満足しています」と評価する一方で、「運用の成果が大きくなるのは、まだこれからであることと、スタッフの加入者数が5割強という状況がやや不満なので、現時点の評価は少し下げたいと思います。また、養老保険などの見直しも必要と考えているので、トータルで見ると80点という評価です」ということでした。
企業型確定拠出年金を導入後も現状に満足せず、改革を進めるA理事長であれば、「100点満点」の評価を出せる日も、そう遠くないと思われます。
細川知宏
企業年金コンサルタント