歯科医院が「確定拠出年金」を導入しただけで、“よりよい人材を確保”できるようになったワケ【企業年金コンサルタントが解説】

歯科医院が「確定拠出年金」を導入しただけで、“よりよい人材を確保”できるようになったワケ【企業年金コンサルタントが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

企業型確定拠出年金は、会社が拠出した資金を従業員が運用して、老後のための資産を増やすものです。実際に導入した歯科医院・理事長が感じているメリットについて、『退職金は「いいスタッフのみ」に払っていた歯科医院…企業年金の導入で“事態が急転”』に続き、企業年金コンサルタントの細川知宏氏が詳しく解説します。 ※プライバシー保護のため、細部は多少変更しています。

自社の退職給付金制度への満足度…「80点」の内訳

今後の運用成果に個人としても期待

 

中退共は、社長や役員は加入できません。一方、役職に関係なく加入できるのが企業型確定拠出年金の特長です。そこで、実際A理事長ご自身も企業型確定拠出年金に加入しており、リタイアメントプラン対策として大きく期待しているといいます。

 

A理事長は現在40歳代前半ですが、企業型確定拠出年金は現在最長65歳まで、2022年の制度改正により、70歳まで掛金の拠出ができる(さらに75歳まで運用可能)ことになる予定です。そうなれば、いまからでもまだ30年近い積立と、30年以上の運用が可能です。自身の老後資金対策としても十分に役立つだろうと考えています。

 

最後にA理事長に、「現在の自社の退職給付金制度に対する満足度」を聞くと、80点という答えが返ってきました。

 

「企業型確定拠出年金の仕組みについては100点に近いぐらい満足しています」と評価する一方で、「運用の成果が大きくなるのは、まだこれからであることと、スタッフの加入者数が5割強という状況がやや不満なので、現時点の評価は少し下げたいと思います。また、養老保険などの見直しも必要と考えているので、トータルで見ると80点という評価です」ということでした。

 

企業型確定拠出年金を導入後も現状に満足せず、改革を進めるA理事長であれば、「100点満点」の評価を出せる日も、そう遠くないと思われます。

 

 

細川知宏

企業年金コンサルタント

※本連載は、細川知宏氏の著書『社員を幸せにしながら社長の資産を増やす方法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

社員を幸せにしながら社長の資産を増やす方法

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細川 知宏

幻冬舎メディアコンサルティング

社員の退職金・年金を「見える化」し、社長の老後資金も増やせる⁉ 中小企業だからこそ活用できる「企業型確定拠出年金」を徹底解説。 本書では、大手証券会社勤務を経てIFA(金融商品仲介業者)となり、数々の「企業型確定…

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