(※写真はイメージです/PIXTA)

会計をチェックすれば、会社にとってどの商品が利益を生み、どの商品が足を引っ張っているのかは一目瞭然です。それをもとに「売れているものにリソースを割く」「売れないものを損切りする」判断をすれば、ムダなく利益が追及できるはずなのです。しかし、会計嫌いの社長は、勘や経験で動きがちで、それが競争力低下の原因となることも少なくありません。中小企業の実情を知り抜く税理士・公認会計士が解説します。

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「リソースを割くべき優先順位」がつけられないと…

現代は、ビジネスの選択肢が広がっている時代です。

 

ビジネス用語に「ピボット」(方向転換)というものがありますが、経済の環境の変化が早まっていることから、ピボットの重要性はますます注目されています。

 

ピボットの成功例は、枚挙にいとまがありません。例えばYouTubeは、もともとはデート相手とのマッチングサービスとして誕生しました。その後、現在の動画共有サービスにピボットし、世界的な大成功を収めたことは多くの人が知るところです。

 

ピボットを成功させるコツは、「うまくいかない事業」から「うまくいく事業」に乗り換えることに尽きます。

 

企業が持つ資金などのリソースには限りがあり、見込みのある事業のすべてにチャレンジするわけにはいきません。うまくいく事業をきちんと見極めて、うまくいかない事業に割いていたリソースを振り分ける必要があるのです。

 

例えば、AとBという商品があったとき、会計をチェックすれば、どちらの事業が会社の利益を生んでいるのかは一目瞭然です。

 

「Aのほうが利益につながっている」「Bはたくさん売れているけれど、コストがかさんで赤字になっている」と分かれば、見込みのある商品Aに社員や設備などのリソースを割くのが合理的です。そして、利益の出ていない商品Bは、早めの段階で撤退するなどして、「損切り」をする必要があります。

 

こうした判断は、社長であれば日々問われるものですから、判断基準を持つことが大切です。事業や商品ごとに「儲かっているかどうか」を数値化し、スコアの良い事業にリソースを集中させるだけで、利益を増やすことができます。

 

会計嫌いの社長は、このような簡単な分析もせず、勘や経験に頼って判断をしてしまいます。

 

それが正しい判断であればいいのですが、残念ながら多くの場合はそうではありません。「なんとなく」という判断で利益が出ない事業にリソースを割いてしまい、どんどん競争力を失ってしまうのです。

 

また、むやみに既存事業にこだわったり、逆にたいして検討もせず新しいビジネスに飛びついたりします。既存事業にこだわるのは、選択を放棄しているのと同じです。チャンスがあるのに目をつぶっているわけですから、「儲からない事業」を選択していることになります。

 

かといって、「最近は動画ビジネスが流行っているから」「ネット通販を始めたら儲かるかも」などと、単なる思いつきで事業をピボットするのも、やはり儲かる可能性を狭めることになります。

 

会社のリソースは有限です。このリソースを最大限活用するためには、会計数値で判断しなくてはならないのです。

 

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    本記事は『たった3か月で売上高倍増!これだけは知っておくべき社長の会計学』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

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