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日本との類似点？米国でも“マスク着用をめぐる争い”が
ニューアークからボストンまで、飛行機は満員でした。客室乗務員は出発前に「マスクの着用をお願いします。どうぞマスクの着用をめぐって争わないでください」と告げました。機内でのマスクが義務付けられている米国では、マスクの着用をめぐり、手に負えない乗客による暴行が問題になっています。
国際客室乗務員協会サラ・ネルソン会長は、CNNのインタビューに対して以下のように述べます（※4）。
「客室乗務員の5人に1人が身体的な事件を経験しています。その原因は、『コミュニケーションの衝突、社会的信頼の低下、人々がストレスを感じていること、飛行機が満席であること、オペレーション上の問題、飲酒』です。また、マスクは感染拡大を防ぐための最も有効な手段ですが、政治的な問題となり、争いの火種となっています。ただし、このような問題を引き起こしているのは、ごく少数の人々です」
米連邦航空局（FAA）は、2021年12月7日時点では、手に負えない乗客の報告を5,553件（そのうちマスク関連は3,998件）も受けています（※5）。ワシントンポストでは、手に負えない乗客に対応するため、万が一に備えて、護身術トレーニングを始めた客室搭乗員たちが紹介されました（※6）。
※4 https://www.cnn.com/2021/12/10/us/delta-flight-passenger-assault-oklahoma-city/index.html
※5 https://www.faa.gov/data_research/passengers_cargo/unruly_passengers/
※6 https://www.washingtonpost.com/travel/2021/08/25/unruly-passengers-flight-attendant-self-defense/
ほぼ「コロナ前の生活」だが、米国の感染状況は…
ボストンに無事到着し、飛行場から外に出ると、6ヵ月半前との状況に違いに驚きました。道を歩いているほとんどの人がマスクを着用していませんし（ただし飛行場、学校、スーパーマーケット、ジムなど屋内ではマスクの着用が義務化されています）、ソーシャルディスタンスも開けていません。抱き合ったり、握手したりする人もたくさんいます。
ただし、マサチューセッツ州では新型コロナウイルスの感染者数が急増しています。
ボストン・グローブは「不気味だし、信じられないような数字ですが、マサチューセッツ州における新型コロナウイルスの感染者数は、昨年のこの時期とほぼ同じペースで急増しています」「感染者数が急増している一方で、入院者数や死亡者数が減少しているなど、全体的なバランスを考慮すると、このデータはパンデミックに対して進展していることを示しています」「もちろん、その向上は不安定なものです。しかし、科学者たちが新たなオミクロン株の脅威の評価に追われている間も、この進展は続くものと期待されています」と指摘します（※7）。
州公衆衛生局のデータによると、2021年12月3日、7日間における1日の感染者数の平均は4,303人で、2020年12月3日の平均4,462人と驚くほど類似しています。
タフツ医療センター感染症内科医シラ・ドロン博士は、ボストン・グローブに、今年も患者数が増加しているのは、新型コロナウイルスが「季節的なパターンに落ち着いているように見えるからだ」と述べています。
マサチューセッツ大学アマースト校公衆衛生健康科学部疫学助教授アンドリュー・ローバー博士は「昨年は、ほとんど学校が閉鎖、高齢者は親戚を訪ねず、誰もワクチンを接種していませんでした」「今年は、学校は開校しており、たくさん人々が集り、多くの人がワクチン接種を受けています」「みんなが集まっていることと、比較的多くの人がワクチン接種を受けていること、偶然2つのことがバランスよく作用している」と述べます。
ちなみに、入院件数は着実に増加しているものの、昨年よりも少なく、2021年12月7日時点で1,115人、2020年12月7日時点1,413人です。死亡者数は、昨年の同時期の水準を大きく下回っており、2021年12月3日現在、1日あたりのコロナウイルスによる死亡者数の7日間の平均は18人で、昨年の同時期には40人でした。専門家はワクチン接種の成果であると述べています。
※7 https://www.bostonglobe.com/2021/12/10/nation/why-are-covid-19-cases-mass-surging-same-way-they-did-last-december/
