「認知症と診断されたのに、うつ病だった」…高齢者がかかりやすい疾患の特徴まとめ【専門医が解説】

「認知症と診断されたのに、うつ病だった」…高齢者がかかりやすい疾患の特徴まとめ【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「認知症かな?」と思われる症状が、精神疾患であるケースは少なくありません。精神疾患であれば治療次第で劇的な改善が見込めるため、適切な診断を受けたいものです。ここでは医療法人昭友会・埼玉森林病院院長の磯野浩氏が、認知症と間違えやすい「3つの精神疾患」について解説していきます。

「独居の女性」「聴力・視力の低下した方」は要注意

〈妄想性障害〉

 

妄想性障害は精神疾患の一つ「統合失調症」に分類される病態で、事実に反したことを信じ込み訂正不能な状態を指します。

 

例えば、私が出かけると家に誰かが入ってきて靴下を盗っていくとか、屋根裏に男がいて粉のような毒をまいているとか、ドアの向こうから「出ていけ」などと自分を追い出そうとする声が聞こえる、などの被害妄想や、時に幻聴を伴うこともあります。

 

老年期の幻覚・妄想は、主題が現実的、世俗的で物化していて、対象が配偶者や家族、近所の人など具体的で、より生活に密着したものが多いといった特徴があるといわれています。

 

また、女性で独居していることや、難聴や視力低下など感覚器の障害がリスクファクターであるともいわれています。

 

ただ、妄想性障害は妄想だけが症状として出てくるものであり、認知機能は保たれています。そこが、認知症との決定的な違いとなります。

 

 

磯野浩

医療法人昭友会埼玉森林病院院長

※本連載は、磯野浩氏の著書『認知症診断の不都合な真実』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

認知症診断の不都合な真実

認知症診断の不都合な真実

磯野 浩

幻冬舎メディアコンサルティング

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