今年の漢字一文字は?オミクロン株、2022年のインフレ見通し (※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、フィデリティ投信株式会社が提供するマーケット情報『マーケットを語らず』を転載したものです。※いかなる目的であれ、当資料の一部又は全部の無断での使用・複製は固くお断りいたします。

【関連記事】チャートで考える2022年の米国と中国

筆者が考える今年の漢字は「脱」

毎年12月中旬になると京都の清水寺で「今年の漢字」が発表されます。

 

筆者も昨年から経済や金融市場を考慮した一文字を考えています。今年は「脱」です。

 

まず「脱コロナ」として、バイデン政権も岸田政権も巨額の財政出動を実施しました。次に、「脱炭素」からも派生し、格差是正を含む「脱資本主義」や「脱新自由主義」(一例として岸田政権の『新しい資本主義』)が挙げられます。

 

続いて、オミクロン株の出現もその一例だと思われますが、新型コロナウイルスは、自然感染とワクチンによる免疫の獲得と治療薬(飲み薬)の普及により、「脱パンデミック」として、エンデミック(感染者の数が比較的安定した継続的な流行)に姿を変えつつあります。

オミクロン株とマーケット参加者

新型コロナウイルスの変異型である「オミクロン株」が金融市場の変動性を高めています。新型コロナウイルスについては、感染症の専門家にとっても「わからないことが少なくない」と言ってよいでしょう。

 

一方で、マーケットは「わからないことだらけ」です。取引のルールとして「わからないときは行動しない」とすれば、身動きが全く取れなくなってしまいます。多くのマーケット参加者にとっては、「わからないことが大前提でリスクを取ることが仕事」であり、リスク(≒わからないこと)こそが収益源です。

 

したがって、彼らは「最善の推論を更新しながら、前に進む」わけです。

オミクロン株についての考え方(一例)

オミクロン株について、現時点では、「感染力は強い」と推定されていますが、「病原性が強い(例:致死率が高い)」との報告は挙がっていないようです。

 

[図表1]南アフリカ共和国の新型コロナウイルス新規陽性者数およびワクチン1回接種率
[図表1]南アフリカ共和国の新型コロナウイルス新規陽性者数およびワクチン1回接種率

 

上記を所与とすれば(→これは強い仮定ですが)、新型コロナウイルス・ワクチンは、

 

①感染防止の効果は落ちるが、

②重症化防止の効果は残る可能性がある

 

と推測されます。

 

同時に、現時点での「最善の予測」は、「悪いケースとして、デルタ株並みと想定すること」が適切に思えます。すなわち、経済活動の一部が抑制される可能性があり、「すでに経験済み」のことが起きる可能性があるということです。

 

[図表2]米国の新型コロナウイルス新規陽性者数およびS&P500
[図表2]米国の新型コロナウイルス新規陽性者数およびS&P500

 

「経験済み」と言っても、過去のことではなく、「現在進行形」の出来事です。欧州ではデルタ株によって過去最高の感染拡大を経験している最中ですから、オミクロン株の拡大を待たず、「新型コロナウイルスは現状でもすでに蔓延している」わけです。

 

言い換えれば、オミクロン株に対するマーケットの反応が格別のものであり続ける必然性はないように思われます。

 

[図表3]欧州主要国の新型コロナウイルス新規陽性者数
[図表3]欧州主要国の新型コロナウイルス新規陽性者数

 

資産を「守る」「増やす」「次世代に引き継ぐ」
ために必要な「学び」をご提供 >>カメハメハ倶楽部

フィデリティ投信株式会社
マクロストラテジスト

大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了後、農林中央金庫にて、外国証券・外国為替・デリバティブ等の会計・決済業務および外国債券・デリバティブ等の投資・運用業務に従事。

その後、野村アセットマネジメントの東京・シンガポール両拠点において、グローバル債券の運用およびプロダクトマネジメントに従事。

アール・ビー・エス証券にて外国債券ストラテジストを務めた後、2013年にJ.P.モルガン・アセット・マネジメントに入社、2019年同社マネージング・ディレクターに就任。ストラテジストとして、個人投資家や販売会社、機関投資家向けに経済や金融市場の情報提供を担う。2020年8月、フィデリティ投信入社。

フィデリティ投信ではマーケット情報の収集に役立つたくさんの情報を提供しています。詳しくはコチラ

著者紹介

連載フィデリティ投信のマクロストラテジストによる「マーケット情報」

【ご注意】
•当資料は、情報提供を目的としたものであり、ファンドの推奨(有価証券の勧誘)を目的としたものではありません。
•当資料は、信頼できる情報をもとにフィデリティ投信が作成しておりますが、その正確性・完全性について当社が責任を負うものではありません。
•当資料に記載の情報は、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更することがあります。また、いずれも将来の傾向、数値、運用成果等を保証もしくは示唆するものではありません。
•当資料にかかわる一切の権利は引用部分を除き作成者に属し、いかなる目的であれ当資料の一部又は全部の無断での使用・複製は固くお断りいたします。

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
TOPへ