わからないことより、知っていること
新型コロナウイルスについて、我々が知っていることは、
②国境封鎖は「時間稼ぎ」に過ぎず、必ず突破される
ということでしょう。
合わせて、
といった、より積極的かつ効果的な反応が行われることについても、我々は知っています。
マーケットに話を移せば、「わからないこと」を認識するよりも「知っていること」を再認識することと、新しい情報によって予測や考えを更新することが、建設的な態度でしょう。
確かにマーケットにとって、新型コロナウイルスの出現そのものは「ブラックスワン」か「灰色のサイ」だったのでしょう。
しかし、ひとたび発見された新型コロナウイルスは、「ウイルス」として分類され、さらには「コロナウイルスのひとつ」として分類されているわけですから、科学的な蓄積によって対処し、共存することができると考えるのが自然です。
パンデミックからエンデミックへ
パンデミック(国境を超える爆発的な流行)は、自然感染やワクチンによる免疫の獲得によって、エンデミック(感染者の数が比較的安定した継続的な流行)に移行します。新型コロナウイルスについても、多くの科学者は同様の推論をしています。
例えば、いわゆる「スペイン・インフルエンザ」(H1N1)はパンデミックの後、季節性インフルエンザ(H1N1)として定着しました(→その後、この季節性インフルエンザは、アジア・インフルエンザ(H2N2)によって駆逐されました)。
ワクチンや治療薬の普及を考えると、新型コロナウイルスは現在、オミクロン株を含み、パンデミックからエンデミックへの移行途上と推測されます。
ワクチンや自然感染が拡大していけば、波は起きますが、落ち着いていくはずです。マーケットでは、あるリスク要因に人々がだんだん慣れていくものですが、現時点ではオミクロン株も同様と筆者は捉えています。