「おしゃれなデザインで集客」まさかの事態に…
価格を小さくして、マッサージの技術があることや、居心地のよい店であることをアピールしようとしたのです。結果、お客さんが減りました。これはまさに、お客さんにメッセージが伝わりづらくなったケースです。
安価な店を求める人には「価格」が刺さります。おしゃれで居心地がよい店を求める人もいるでしょうが、それよりも大事なのは安いかどうかで、安さが伝わらなければ看板を見て「行ってみよう」と思う人も減ります。
このような失敗を避けるためには、集客したいターゲット層を踏まえておくことが重要です。
集客や認知度向上を狙って試行錯誤することは大事ですが、「誰に見てほしいのか」「何を伝えるのか」という視点がブレると、改善のためのデザインやコピーの変更が改悪になってしまうのです。
ちなみにこのマッサージ店は、おしゃれな看板では看板の効果が悪くなると気がついて、元の価格を目立たせる看板に戻しました。結果、来店客数も元に戻りました。
デザインやコピーの変更案を試していく過程では、効果が出なかったり、成果が悪くなったりすることもあります。デザインやコピーは、基本となるセオリーはありますが、「これで効果が出る」と断言できる正解はありませんので、改悪になることは珍しくありません。そのようなときは、元に戻すか、別の案を考えます。
その際に重要なのは、改悪になったパターンを記録して、学習していくことです。お客さんに刺さらないNGデザインやNGワードを理解し、それらを避けられるようになれば、結果として、お客さんに刺さりやすい看板に改善することができます。
■不要な看板は減らす
看板の数の増減は、増やすパターンとして、店内で商品をおすすめするPOPを増やしたり、店前に新たなのぼり旗を置くといったことです。
POPを増やした結果、POPを読む人が増えたり、売上が増えるといった良い変化が見られたら、そのPOPを常設にして、より良いデザインやコピーの改善案を考えます。逆に、新たにPOPなどを追加しても売上などが増えなかったとしたら、そのPOPは追加する必要がないといえます。
看板を減らすパターンは、効果が薄い看板を撤去する、別の場所に移動するといったことです。
例えば、店前にぶら下げている懸垂幕を撤去してみます。それでもお客さんが減らなかったとすれば、懸垂幕は不要と判断でき、減らすことができます。不要なものを減らせば、看板にかかるメンテナンスのコストや手間が省けます。