「おしゃれなマッサージ屋」を演出したら思いっきり裏目に出た【まさかの看板マーケティング】

「おしゃれなマッサージ屋」を演出したら思いっきり裏目に出た【まさかの看板マーケティング】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「あっ、ビール飲んで帰ろうかな」「今日は疲れたし、マッサージ屋でも寄るか」……街を歩いているとき、ふと思い立ったことはありますか。もしかしたら、看板の“不思議なパワー”に引き寄せられたのかもしれません。本記事では、看板製作会社「有限会社オチスタジオ」の代表・越智一治氏が、看板に秘められたマーケティング戦略について解説していきます。

「おしゃれなデザインで集客」まさかの事態に…

価格を小さくして、マッサージの技術があることや、居心地のよい店であることをアピールしようとしたのです。結果、お客さんが減りました。これはまさに、お客さんにメッセージが伝わりづらくなったケースです。

 

安価な店を求める人には「価格」が刺さります。おしゃれで居心地がよい店を求める人もいるでしょうが、それよりも大事なのは安いかどうかで、安さが伝わらなければ看板を見て「行ってみよう」と思う人も減ります。

 

このような失敗を避けるためには、集客したいターゲット層を踏まえておくことが重要です。

 

集客や認知度向上を狙って試行錯誤することは大事ですが、「誰に見てほしいのか」「何を伝えるのか」という視点がブレると、改善のためのデザインやコピーの変更が改悪になってしまうのです。

 

ちなみにこのマッサージ店は、おしゃれな看板では看板の効果が悪くなると気がついて、元の価格を目立たせる看板に戻しました。結果、来店客数も元に戻りました。

 

デザインやコピーの変更案を試していく過程では、効果が出なかったり、成果が悪くなったりすることもあります。デザインやコピーは、基本となるセオリーはありますが、「これで効果が出る」と断言できる正解はありませんので、改悪になることは珍しくありません。そのようなときは、元に戻すか、別の案を考えます。

 

その際に重要なのは、改悪になったパターンを記録して、学習していくことです。お客さんに刺さらないNGデザインやNGワードを理解し、それらを避けられるようになれば、結果として、お客さんに刺さりやすい看板に改善することができます。

 

■不要な看板は減らす

 

看板の数の増減は、増やすパターンとして、店内で商品をおすすめするPOPを増やしたり、店前に新たなのぼり旗を置くといったことです。

 

POPを増やした結果、POPを読む人が増えたり、売上が増えるといった良い変化が見られたら、そのPOPを常設にして、より良いデザインやコピーの改善案を考えます。逆に、新たにPOPなどを追加しても売上などが増えなかったとしたら、そのPOPは追加する必要がないといえます。

 

看板を減らすパターンは、効果が薄い看板を撤去する、別の場所に移動するといったことです。

 

例えば、店前にぶら下げている懸垂幕を撤去してみます。それでもお客さんが減らなかったとすれば、懸垂幕は不要と判断でき、減らすことができます。不要なものを減らせば、看板にかかるメンテナンスのコストや手間が省けます。

次ページPOPだらけのお店…活気はあっても売上がない!の悲惨

※本連載は、越智一治氏の著書『看板マーケティング戦略』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

看板マーケティング戦略

看板マーケティング戦略

越智 一治

幻冬舎メディアコンサルティング

ピーター・ドラッカーは、マーケティングの理想は「販売を不要にすること」であると言いました。 つまり、営業マンが売り込みに走り回らなくても、商品やサービスが「自ずから売れるようにすること」が究極のマーケティングだ…

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