節税効果、利回りの高さ…「会社も社員もwin-winな年金制度」と「中退共」7つの違い

節税効果、利回りの高さ…「会社も社員もwin-winな年金制度」と「中退共」7つの違い
(※写真はイメージです/PIXTA)

長い歴史があり、多くの中小企業が加入している「中退共」ですが、企業型確定拠出年金と比べると、デメリットや制限となる部分も多数あります。ここでは企業年金コンサルタントの細川知宏氏が、企業型確定拠出年金と比較しながら、中退共のデメリット7つについて解説していきます。

完全な払い損…11ヵ月以下で退職した場合、支給は

④社長、役員が加入できない

 

中退共は、社長や役員は加入することができません。企業型確定拠出年金は社長や役員も加入可能です。

 

⑤従業員は原則全員加入させなければならない

 

中退共は、従業員は原則全員加入しなければなりません。例えば、勤続3年以上の者だけを加入させるといったことはできないのです。企業型確定拠出年金では、選択制を導入すれば加入は任意です。

 

⑥加入期間が短いと不利になる

 

中退共は、長期加入者の退職金を手厚くするように制度が設計されているため、加入期間が短い時点で退職などをすると、極端に不利になります。例えば、退職給付が支給されるには、加入期間が12ヵ月以上なければならず、11ヵ月以下で退職した場合は支給は「0」で、完全な払い損です。

 

また、12ヵ月以降も、23ヵ月までの退職の場合、支給額は掛金支払い額よりも少なくなります。24ヵ月から42ヵ月までの間の退職で、ようやく、掛金額と支給額が同じ金額、そして、43ヵ月以上の加入期間となって初めて、掛金額よりも支給額が多少増え始めるという具合です。

 

⑦事業主返還ができない

 

中退共の退職金は、中退共から直接従業員に支払われます。1~3年程度での短期退職者や、トラブルを起こして辞めた社員などに対しても、規定どおりの退職金が満額支払われることを経営者が不満に感じるケースもよく見られます。

 

なお、加入から1年以内に退職した場合は、退職金は支払われませんが、掛金の会社への返還はなく、掛け捨てになります。

 

企業型確定拠出年金では、加入から3年以内の自己都合の退職時には、掛金相当額を事業主に返還する設定が、規約によって可能です。中退共から企業型確定拠出年金への移行の問題会社が中退共を辞めて、ほかの退職給付金制度(企業型確定拠出年金など)を導入しようとする場合、(1)会社合併など、(2)会社規模が大きくなり中退共の加入要件を超えたこと、以外の理由では、それまで掛けた退職金資金の移換ができません。

 

その場合、一度会社全体として中退共を脱退して、それまでの掛金を一時金として従業員に支払ってもらって清算し、またゼロから新しい退職給付制度をスタートさせることになります。

 

その際に、従業員に支払われる一時金は、退職時の一時金のような退職所得ではなく、「一時所得」となります。

 

一時所得は、{総収入額−収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)}であり、その1/2の金額が、総合課税として給与所得などと合算して課税されます。50万円の特別控除があるため、中退共からの一時金の受取金額が50万円以下であれば課税額は0ですが、50万円を超えると課税が発生します。

 

例えば100万円の一時金であれば、(100万円−50万円)×1/2=25万円が総合所得に加算されて課税されることになります。

次ページ「所得税と社会保険料」にも影響大

※本連載は、細川知宏氏の著書『社員を幸せにしながら社長の資産を増やす方法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

社員を幸せにしながら社長の資産を増やす方法

社員を幸せにしながら社長の資産を増やす方法

細川 知宏

幻冬舎メディアコンサルティング

社員の退職金・年金を「見える化」し、社長の老後資金も増やせる⁉ 中小企業だからこそ活用できる「企業型確定拠出年金」を徹底解説。 本書では、大手証券会社勤務を経てIFA(金融商品仲介業者)となり、数々の「企業型確定…

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