おひとりさまでも在宅死は可能です…手厚い保険制度の活用で【在宅医が解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

在宅医療は本当に高額なのでしょうか。タクシー代や付き添う方の稼働、病院の診療や会計の待ち時間など、通院の際にかかる経済的・時間的コストと比較して高いと捉えるかは「個人の価値観」と在宅医は説明します。 ※本連載は中村明澄著『「在宅死」という選択』(大和書房)より一部を抜粋し、再編集した原稿です。

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在宅医療ってお金がかかるの?

■在宅医療にかかるお金

 

はじめての在宅医療となると、「どれだけ費用がかかるのかな?」「高くついてしまうのかしら」という心配も出てくると思います。在宅医療は高額な費用がかかると思われがちですが、保険が適用されるため、実はそうでもありません。

 

たとえば医療費は、75歳の方の場合(医療保険の自己負担が1割の場合)は、月2回の訪問診療で、月に約6500円程度かかります。そこに、採血や在宅酸素の使用など、診療の内容に応じて追加されます。しかし、医療保険では「高額療養費制度」があり、70歳以上の自己負担の上限額は(一般年収の場合)、月に18000円と決められているので、それ以上はかかりません。他の医療機関にかかっている場合も、合算して月に18000円を超えた分は還付申請すれば戻ってきます。

 

医療費に加え、介護保険サービスをご利用の方は、ケアマネジャーへの情報提供を行うためさらに約600円(介護保険の自己負担が1割の場合)かかります。

 

70歳未満の方は、医療保険の自己負担が3割になるので、月2回の訪問診療では、月に約20000円となります。70歳以上の方と同様に高額療養費制度が適応されますが、収入によって自己負担の限度額は変わってきますので詳しくはお住まいの地域の役所にお問い合わせください。

 

その他、自宅療養中に在宅医療・ケアにかかるお金は、お薬代、介護保険サービスの利用料などがかかってきます。またクリニックによっては診療にあたり交通費がかかるところもありますので、ご確認ください。

 

■介護保険をおおいに活用しよう

 

自宅での療養においては、介護保険サービスを利用するのは大きな支えになります。介護保険制度がなかった時代は、家族が身を削って介護するか、自費で家政婦さんを雇うしか方法がありませんでした。けれども今では、訪問看護や訪問介護、訪問入浴など、さまざまなサービスを介護保険で受けることができます。

 

介護保険サービスを利用するためには、まず、介護保険の申請が必要です。65歳以上の方に介護保険証が自動的に郵送されますが、医療保険証と違い手元に保険証があっても介護保険サービスは利用できません。まず、役所で申請を行う必要があります。

 

申請をすると、市の調査員がどの程度介護が必要な状態であるかを実際見聞きするために調査に来ます。ベッドからの起き上がりや歩行、お風呂や歯磨きなど、生活に関わる動作がどれくらい一人でできるかという調査です。

 

その調査結果と「主治医意見書」という主治医が状態を記載した書類をもとに、介護度(要支援1・2、要介護1~5の7段階)が決定されます。そして担当のケアマネジャーが、サービスの時間割である「ケアプラン」を作成し、ようやく実際の介護保険サービスが利用できるようになります。

 

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在宅医療専門医
家庭医療専門医
緩和医療認定医

2000年東京女子医科大学卒業。国立病院機構東京医療センター総合内科、筑波大学附属病院総合診療科を経て、2012年8月より千葉市の在宅医療を担う向日葵ホームクリニックを継承。2017年11月より千葉県八千代市に移転し「向日葵クリニック」として新規開業。訪問看護ステーション「向日葵ナースステーション」、緩和ケアの専門施設「メディカルホームKuKuRu」を併設。緩和ケア・終末期医療に力をいれ、年間100人以上の患者の方の看取りに携わっている。病院、特別支援学校、高齢者の福祉施設などで、ミュージカルの上演をしているNPO法人キャトル・リーフも理事長として運営。著書に『「在宅死」という選択 納得できる最期のために』(大和書房)がある。

著者紹介

連載「在宅死」という選択で自分らしい生き方と逝き方を探る

「在宅死」という選択~納得できる最期のために

「在宅死」という選択~納得できる最期のために

中村 明澄

大和書房

コロナ禍を経て、人と人とのつながり方や死生観について、あらためて考えを巡らせている方も多いでしょう。 実際、病院では面会がほとんどできないため、自宅療養を希望する人が増えているという。 本書は、在宅医が終末期の…

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