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3種類に大別される「障がい者グループホーム」
障がい者グループホームには、軽度の障がいのある人が入居する「介護包括型グループホーム」「外部サービス利用型グループホーム」と、中重度の障がいのある人が入居する「日中サービス支援型グループホーム」の3種類があります。
いずれのグループホームでも入居することができるのは18歳以上です(18歳以下の人は「児童」となるため、児童向けの施設に入居します)。以前は65歳になると介護保険が適用されるため、高齢者グループホームに移行せざるを得ませんでした。入居者の方々にしてみると、長年暮らし慣れた施設を離れ、知らない人たちに囲まれ知らない土地で暮らすことになるなど、精神的負担が大きくなることもしばしばでした。
そこで現在は65歳に達してもそれまでと同じグループホームで生活できるようになりました。
①介護包括型グループホーム
軽度の障がいのある人のなかには、一般企業で働くことのできる人や、企業で働くことは難しくても障がいの程度や体調に合わせて自分のペースで働く準備のできる就労継続支
援の対象となる事業所で就労している人がいます。
こうした方々の生活の場となるのが介護包括型グループホームで、ホームを運営する事業者の経営者やそこで雇われて働く、世話人(=日常生活上の世話をしたり相談に応じたりする人)と生活支援員(=介護を担当する介護スタッフ)と呼ばれる人によって主に夜間にサービスが提供されます。
このタイプで提供するサービスは
ⅰ基本サービス=日常生活の援助等
ⅱ利用者の個々のニーズに対応する介護サービス
です。
具体的には次のようなものです。
①お風呂、トイレ、食事等の介助
②調理、洗濯、掃除等の家事
③日常生活・社会生活上の相談および助言
④就労先やその他の関係機関との連絡
⑤その他の日常生活上の援助
グループホームのなかには、障がいの状態によって介護を必要とする人としない人が混在することになります。例えば入居者Aさんにはお風呂・トイレ・食事の際の介助が必要だけれども、Bさんには必要ないということもあるのです。包括型グループホームの特徴は、介護を必要とする人に対するサービスもグループホーム事業者が自ら行うという点にあります。そういう意味で「介護包括型」なのです。
そのため原則として外部のホームヘルパー(居宅介護事業者)のサービスを利用することはできません。
包括型グループホームの場合、親御さんや本人の希望もあり、土日は自宅で過ごされる入居者も多いようです。入居者がいない時間帯は介護スタッフをおく必要がなく、その分人件費がかからないため運営がしやすく、働く人も集めやすくなる部分はあります。
なお、包括型グループホームは既存のものを除いて新築の場合、1棟あたり10戸(部屋)しか建設することができないルールになっています。入居者を増やしたい場合は、同一敷地内に2棟建設することができます(ただし、地方自治体の判断によって異なる場合もあります)。
●包括型グループホームの一日
平日は朝起きて、グループホームで働く人が用意した朝食をとり、それぞれ自分の職場に向かいます。通勤は基本的には公共交通機関を利用する人が大半で、なかには自転車を利用したり、徒歩で通ったりする人もいます。
このことはすなわち、包括型グループホームの建設に適した立地は平日の通勤時間帯に電車やバスが通っているような場所であるということを意味します。仮に日中の何時間か電車もバスも通っていないところであっても、朝夕の決まった時間に公共交通機関が動いていれば立地として問題ありません。なお、一部の就労支援事業所(障害のある方の一般企業への就職をサポートする通所型の福祉サービス)ではマイクロバスなどで送迎してくれるところもあります。
いずれにしろ入居者は自力で職場に行くか、福祉事業所からの送迎車で行くことになるため、グループホーム側が入居者の通勤のためになにかをしなければならないということはありません。夕方になると就業先から公共交通機関もしくは事業所の送迎車でグループホームに戻ります。
調理や清掃は基本的に入居している人が手伝えるのが望ましいとされているので、当番表などを作って配膳やごみ捨てを交代で行ったり、入浴の順番も入居者間で決めたりしているようです。
自宅にいるときは親御さんや兄弟姉妹にすべての世話をしてもらっていた方にとって、共同生活を通じて自分の果たすべき役割を知るいい機会になります。特に女性の入居者の方が多いグループホームでは、多くの人が配膳などを率先して手伝いたがって収拾がつかなくなるので、「やらなくていい人」の当番決めをしているというほほえましい話も聞いたことがあります。
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