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コロナ禍で注目される、フィリピン・新規上場会社
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「メディライン社」のビジネスはCTスキャン、MRI、心電図、透析機器など高度医療機器をドイツのシーメンスなどグローバルな医療機器メーカーから輸入し、医療機関へ販売そして販売後のメンテナンスを行うというものです。
フィリピンでは、コロナの影響もあり、高度医療機器の不足が顕在化し、需要が高まっています。政府も医療分野への投資に重点を置いていますので、魅力的なビジネスになると考えられます。
特に同社は、透析機器、癌治療機器の分野では、強いプレゼンスを示しており、それぞれ市場シェア50.5%、90.4%を抑えています。
また、顧客別売上を見ると、77.7%が保健省または公立病院などのパブリックセクターで、公益事業から大きな収益を得ています。
同社のオーナーで、大手不動産ディベロッパー「ビスタランド」や初日50%値上がりでストップ高となった最近上場した食品スーパーチェーン「オールディイマート」のオーナーでもあるVillarファミリーは、ファミリーの中から上院議員や公共事業省長官が出ています。
2021年上半期の売上高は、281%増益のPhP8億1500万、純利益は、コロナの移動制限で納品がままならなかった昨年の赤字から、1億ペソに黒字転換しました。
前述しましたが、フィリピンは病院数の拡大と病院設備の充実が急務となっており、医療分野の設備投資は毎年2桁の増加が予想されています。また、病院数は、現在の1384から1558まで増やす計画です。
時価総額は530億ペソで、1000億円を超えてきそうです。IPOで調達した新規マネーは、高額医療機器の仕入れと財務改善の為の借入金の返済に充てられます。
公募期間は11月22日から26日、暫定上場日は12月7日、主幹事は地元のPNBキャピタルです。公募価格は2.45ペソと想定されています。
バリュエーションですが、公募価格2.45ペソと2021年の利益をベースに算出すると、PERが33.7倍となります。フィリピン国内に競合となるような、同業他社が見当たらないので、海外の医療機器ディストリビューターのPER平均が35.2倍なので、概ね妥当なバリュエーションと言えます。
ただ、最近のフィリピンのIPOの事例からすると、最終的な公募価格は、2.45ペソから20~25%程度のディスカウントが期待できそうです。もし25%ディスカウントになれば、PERが25倍程度になりますので、かなり魅力的なIPOになるのではないでしょうか。
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