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米国大手ファンドが出資するフィリピン・電力会社
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金融大国「シンガポール」や「フィリピン永住権」を活用した新・資産防衛法
フィリピン株総合指数は堅調な動きとなって、7300を伺う展開になっています。この7300の抵抗線を突破すれば、7600から7800まで上がる可能性が出てきます。7300を突破しない場合は、7100か7000がサポートラインになりそうです。
マニラ首都圏での行動規制レベルが緩和されました。これによって、レストランの稼働率が上がり、映画館やカジノでは30%の稼働率となっています。また、航空会社にとっても、観光客が増え、フィリピン国内の旅行が増加します。
そんな中、コロナ後を見据えて、これからさらなる上値を狙える割安株・銘柄を見ていきます。また、株価に大きな影響を与える海外ファンドの動きも合わせて見ていきます。
最初に「ファーストジェン(FGEN)」です。アメリカの大手ファンド「KKR」が出資したことで、注目されている会社です。同ファンドは2回に分けて出資し、現在18%程度の出資比率まで上がってきました。電力会社へ外資の出資比率上限は40%です。このような世界的な大手ファンドが、フィリピンのエネルギーセクターを有望とみているという証左になります。
同社は発電会社で、55%が天然ガスで残りを地熱などの再生可能エネルギーを活用しています。フィリピンは慢性的に電力不足ですし、今後長期的に人口も経済規模も拡大していきますので、有望なセクターです。
「KKR」の参入で注目を集めている一方、株式流動性ルールにより、同社は最近フィリピン株インデックスから抜けた関係で、機関投資家の売りが入り、株価が割安になっています。「ABキャピタル証券」のターゲットプライスに対して、30%程度割安な水準となっています。バリュエーション的にも、PER6.7、PBR0.6と割安です。
「KKR」は、同じくインフラ系の企業「メトロパシフィック(MPI))の病院事業にも出資をしていますので、今後大きな成長が期待できるフィリピンのインフラ関連を一つのターゲットにしているようです。
このような大手ファンドの動きは基本的に株価にプラスに働きますが、シンガポールの「ソブリン・ウェルス・ファンド」「GIC」もフィリピンでの投資に積極的です。フィリピン大手銀行「バンク・オブ・フィリピンアイランド(BPI)」の4%程度を所有しています。また、食品加工会社の「センチュリー・パシフィック」やピザチェーンの「シェーキーズ」へも出資しています。
ショッピングモール運営、フィリピン第2位企業
次の割安銘柄として、「Robinsons Land Corporation (RLC)」をみていきます。
フィリピンの大手総合不動産開発会社です。ターゲットプライスとの比較では、アップサイドの可能性が40%と大きいです。バリュエーション的にもPER9.5倍、PBR0.7倍と割安です。コロナ前の同社のPBR水準は1.08倍でした。
ショッピングモールの運営では、「SM」についで第2位の規模を誇っていて、フィリピン全土で40以上のショッピングモールを展開しています。そして、「SM」のPERが40倍ですので、「RLC」の割安が際立ちます。
経済が再開されれば、フィリピンでの最大イベントであるクリスマス商戦で、人々はショッピングモールに戻ってくるでしょうから、大きな反発が期待できるのではないでしょうか。