写真:PIXTA

新型コロナウイルス感染拡大が落ち着いている日本では、行動制限が解除され、久々の日常を楽しんでいますが、フィリピンでは行動制限解除まで至らず、株価も足踏み状態にあります。そのようななかでも四半期で好決算を発表する企業が出てきています。一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターである家村均氏が注目企業をレポートします。

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主要企業の四半期決算…コロナ後を見据えた相場へ移行

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フィリピンでは、さらなる人々の行動制限レベルの軽減が期待されていましたが、それが見送られたことで、フィリピン株総合指数(PSEi)は、節目の7300を超えられず足踏みしている状態です。

 

このようななか、主要企業の四半期の好決算も出てきていますので、コロナ後を見据えた業績相場に移行してきています。

電力、物流、通信…好決算のインフラ関連企業

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マニラ首都圏で電力を供給する電力大手「メラルコ社(MER)」の純利益が30%増益の67億ペソになりました。これは、製造業の工場稼働率が上がってきていることと、昨今のエネルギー価格の上昇に伴う電力値上げによるものです。また、発電事業を主体とする財閥「ABOITIZ Equity Ventures, Inc.(AEV)」の第3四半期の純利益も電力需要の回復により38%増益の61億ペソとなりました。

 

さらに電力同様全体的な経済・工場稼働率の向上の恩恵を受けるのが物流業界ですが、物流大手で最大財閥アヤラグループの「アヤラランド・ロジスティクス・ホールディングス社 (ALLHC)」は、117%増益の4億200万ペソを計上しました。

 

ブロードバンド通信大手の「コンバージ社(CNVRG)」は、パンパンガ地区にテックシティの建設を計画していることを発表しました。実はフィリピンには多くの優秀なITエンジニアがいます。シリコンバレーにも多くのフィリピン人エンジニアがいるのです。こういった人材と、地理的にもアジアの中心に位置しているという地の利を活用して、東南アジアのデジタルハブになろうという意欲的な計画です。

 

こういったこともあり、同社の社長兼共同創業者Maria Grace Y. Uy氏が、米経済誌フォーブスがアジア太平洋地域の優れた女性ビジネスリーダー20人「2021年パワー・ビジネスウーマン」に選出されました。

 

同じく通信大手グローブテレコム傘下のオンライン決済アプリGCashを運営する「Globe Fintech Innovations, Inc. (Mynt)」が、新たに3億ドル以上の資金を調達し、バリュエーションが20億ドルを超えてきました。フィリピン発フィンテック企業として、将来のIPOも含めて注目を集めています。

 

フィリピン10大財閥の一角「Metro Pacific Investments Corp (MPI)」傘下の有料道路運営会社「Metro Pacific Tollways Corp. (MPTC)」は、2022年に同社の運営する高速道路の1日平均交通量が32%増加するとの見通しを発表し、ビジネスの本格回復を展望しています。

 

同社は、香港の財閥ファーストパシフィック社のフィリピンでの3つの投資先の一つです。他の2つの投資先は、金と銅のマイニング会社「Philex Mining Corp(PX)」と通信大手「PLDT」です。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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