写真:PIXTA

新型コロナ感染症の新規感染者が減少傾向にあり、移動制限解除の動きがみられるフィリピン。クリスマス商戦を前に、リベンジ需要の期待が高まっています。そこで一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターである家村均氏が、コロナ禍からの回復が期待されるフィリピンで、特に注目すべき企業をチェックしていきます。

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「移動制限緩和+クリスマス」で小売り、外食に注目

 

フィリピン株式総合指数は、11月18日の終値で、7349.82と7300台を維持しています。

 

フィリピンでは、移動制限が緩和され、クリスマス商戦を迎える第4四半期に突入する中、コロナで大きなダメージを受けた小売、外食、航空関連銘柄などリベンジ銘柄が、続々と高決算を発表し、株価も活気づいています。

 

年末ホリデーシーズンでの消費や外食需要が、ショッピングモール運営者の回復の道を切り開くと見られています。ただし、完全なパンデミック前の水準への回復は、まだ22年後半と見られています。

 

「SM Prime Holdings(SMPH)」のようなモール運営企業は、再評価されるタイミングにきています。また、「Puregold Price Club, Inc.(PGOLD) 」(目標価格: 52.00) や 「Robinson Retail Holdings(RRHI) 」(目標価格: 75.00) のような小売業者も同様の傾向にあると考えられます。

 

オールデーマート、メディラインと立て続けにIPOを実施しているVillarファミリーが率いる「Vistamalls社」も第3四半期の純利益は6億7,500万ペソとなり、前年同期の4億1,100万ペソから64%増加しました。

 

「Puregold Price Club, Inc.(PGOLD) 」の2021年9ヵ月間の純利益は、前年同期の50.5億ペソから13.6%増の57.3億ペソとなりました。既存店売上高は11.4%減でした。しかし、グループの売上総利益率は16.4%から18.7%に、純利益率は5%に改善しました。

 

売上高の72%は「Puregold」の店舗網によるもので、「S&R Membership」の倉庫型店舗と「S&R New York Style Pizza」が28%です。現在、「PGOLD社」は全国に489店舗を展開しており、そのうち422店舗が「Puregold」、22店舗が「S&R」となっています。

 

第3四半期の「PGOLD」の店舗数は4店舗増加し、今年は現在合計19店舗新規開店になりますが、今年は30店舗の新規出店を目標としています。移動制限が緩和される中、今後数ヵ月の間に「PGOLD」新店舗の建設も進むはずです。来年に向けては、可処分所得の増加と選挙関連の支出が成長の原動力となるでしょう。

 

外食部門では、「ジョリービーフーズ(JFC)」が短期的に大きな恩恵を受けると考えています。大統領選挙シーズンには、同社は、通常総売上が10~20%増加する傾向にあります。

 

これら以外にも、コロナ新規症例が減少し始めてから経済再開に沿って、上昇している銘柄が増えています。「Cebu Air Inc. (CEB)」やカジノの「Bloombery Resorts Corp. (BLOOM)」は、それぞれ21%と34%株価が大きく上昇しています。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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