「孫と養子縁組」すると相続税対策ができるが…養子に“起こりうる災厄”について税理士が解説

「孫と養子縁組」すると相続税対策ができるが…養子に“起こりうる災厄”について税理士が解説
(写真はイメージです/PIXTA)

「養子縁組と相続の関係」について、“二重相続資格”や“節税”といった観点から、税理士法人・都心綜合会計事務所の税理士・天野清一氏が解説していきます。

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    節税のため「形だけの養子縁組」をしようとすると…

    そしてややこしい話になりますが、孫と養子縁組をすると、孫に二重資格が生じることがあります。

     

    すでに実親が亡くなっている場合、養親が亡くなると、孫には祖父や祖母の養子としての資格と、孫としての代襲相続人(すでに亡くなっている親の代わり)の資格が発生します。

     

    さきほど養子縁組の話で出てきた、実親と養親との二重の相続権と似ていますが、こちらは同じ相続人から二重に相続権を得ることを言いますので、意味はまったく異なります。

     

    さて、節税にもなる養子縁組ですが、中には遺産のために形だけの養子縁組を利用しようとする人もいます。

     

    しかし、こうした養子縁組はもちろん無効です。

     

    そのため養子は遺族から「その養子縁組は無効ではないのか」と訴えられることがあります。この争いが決着しなければ、遺産を分けることはできませんが、相続税の申告期限までは10ヵ月しかありません。

     

    この場合、とりあえず争いがないものとして、養子縁組をした状態のまま相続税の申告を行うこととなります。

     

    遺産分割もできていないのにどう相続税額を決定するのか?というと、それぞれの法定相続分で遺産を分けたと仮定して計算を行います。

     

    そして、問題が解決し遺産分割が確定してから、必要に応じて修正申告や更正の請求をすることになります。

     

     

    ■動画でわかる「養子縁組と相続の関係」

     

     

    天野 清一

    税理士法人・都心綜合会計事務所

     

     

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