(画像はイメージです/PIXTA)

40代になると、職場で、家庭で、親子関係で、友人関係で、健康問題で複雑なトラブルが続発してきます。そんなとき立ち直る力があるかないかで、その後の人生が違ってきます。※本連載は松尾一也著『40代から深く生きる人、浅く生きる人』(海竜社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

死にゆく人々がたどる絶望のプロセスを知る

▼浅く生きる人=ショックと怒りにあふれている

 

エリザベス・キューブラー・ロスはアメリカの精神科医で『死ぬ瞬間』の著者として有名な人物です。

 

キューブラー・ロスは死にゆく患者約3000名を看取り、その後約200名との対話をまとめて、死にゆく人々は以下の5つのプロセスをたどることを書き著しました。

 

(すべての人がこれに該当するわけではありません)

 

第1段階 「否認(shock)」

 

患者は不治、余命の宣告により大きなショックを受けて、自分にはそんな事実は起こらない!間違いだ!と否定、否認に努めようとします。

 

第2段階 「怒り(anger)」

 

なんで自分がこんなひどい目に遭わなくてはいけないのか、どうして自分が死ななければいけないのか強い怒りを覚えます。そして天を、自分の運命をのろいます。

 

第3段階 「取引(barganing)」

 

必死に延命を願い、どこかにいい方法がないか取引を模索します。これをすれば助かる、これをやめれば救われるともがきます。神にすがるのもこのひとつです。

 

第4段階 「抑うつ(depression)」

 

すべてが無駄と理解しだして、無力感、失望の念に襲われて「抑うつ症状」に陥ります。

 

第5段階 「受容(acceptance)」

 

もうどうあがいても避けられない死の現実をやがて受け入れていくそうです。「これも自分の人生」と受容が始まります。最期まで逃避したい願望が強い人もいます。

 

私はこの本と出逢ったときに強い衝撃を受けました。人はこんなことを味わわないといけないのか、という死の恐怖と同時に、生きていくためにも活かせるプロセスであると思いました。

 

幸いまだ「死にゆく」状況ではなくとも、生きていると絶望を感じる場面が何度か訪れます。そんなときに、この5段階を丁寧に自覚しながら、できるだけスムーズに受容へ至らないかと道を探し、念じることができます。

 

否認、怒り、取引、抑うつを少なめにして、受容につながる努力を積み重ねることは有益だと思います。

 

「メメント・モリ」

 

ラテン語で「自分が必ず死ぬことを忘れるな」。死を思うことで、今を生きる大切さに目覚めることです。そして、死は今生から卒業を赦されることかもしれません。

 

私の父は67歳と早く神様から赦されて招かれたのかなぁと思うときがあります。人は予期せぬことへの恐怖との闘いですが、先達の教えからたくさん学べるのが40代の特権です。

 


松尾 一也
株式会社ルネッサンス・アイズ

 

 

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