(※写真はイメージです/PIXTA)

リフォーム工事では常に費用対効果を意識しなければなりません。いかにコストを最小に抑えて、訴求力を高めるかが勝負となります。それに加えて、各リフォーム工事にはクレームの火種も眠っているため、工事管理にも心血を注ぐことが求められるのです。リフォーム理論を具体的に実践する方法について専門家が分かりやすく解説します。

リフォーム工事に潜む「クレームの火種」への対処法

入居者の満足度アップのためにリフォーム工事や塗装工事をしたのに、逆にクレームが多発してしまった──。

 

こんなことにならないためにも、施工(工事)管理という面も忘れてはいけません。「管理なんて工事業者に任せておけばいい」などと思っていると大変なことになります。各リフォーム工事には、多くのクレームの火種が眠っています。

 

例えばこのようなものです。

 

騒音によるクレーム

工事告知の遅れによるクレーム

塗料の臭いによるクレーム

工事車両の違法駐車による近隣住民からのクレーム

私物への塗料付着によるクレーム

 

工事の管理がしっかりしていれば問題はないのですが、実際の工事にはどうしてもクレームがつきものです。このクレームを、いかに小さく抑えるか(ゼロに近づけるか)が肝要です。

 

そのため、工事業者の現場監督の存在は重視すべきですし、さらには、その現場監督を管理する管理会社の役割も重要です。

 

現場を取り仕切る監督がラフな方ですと、現場はたるんだ雰囲気になります。現場がたるんでいれば、落下物などで入居者に怪我をさせてしまうかもしれません。オーナーさんに使用者責任が問われる場合もあります。現場が荒れていると、なによりも入居者に迷惑がかかります。ひどい場合には退去にもつながりかねません。スケジュール管理、入居者への告知、挨拶やゴミの持ち帰りなど、工事業者が気をつけなければならない点は多々あります。

 

そのため、誰に現場を任せるかは大きなポイントです。現場監督の選定をミスするというのは、現場に爆弾を放り込むようなものです。十分注意が必要です。初めて仕事を依頼する業者の場合は、現場監督の方と事前に打ち合わせ(面談)をし、現場を任せてよい方か判断する必要があります。

 

もし、危ないと思ったら担当を変更してもらうか、業者自体を代えるのが得策でしょう。

 

管理会社経由で工事を依頼する場合には、クレームが出た場合の処理を管理会社が行うのですが、それに伴う退去が出てしまうと、結局はオーナーさんの利益を大きく損ないます。きちんと工事業者の管理を行うことも管理会社の重要な役割です。

 

その他にも、内装工事でチェックリストを使い、工事業者の管理を行うのも一つの方法です。ある程度の規模でリフォームする場合などは、内装業者とクリーニング業者を分け、ダブルチェック体制で管理していきます。

 

内装業者の指定するクリーニング業者に一括発注し、内装業者のみにチェックを依頼すると、細かい部分の抜け(網戸の破れや、ふすまの動きが鈍いなど)が出る場合もあります。すると入居者からのクレームが数多く寄せられ、クレーム処理に時間とコストがかかってしまう結果となるのです。そのため、内装業者とクリーニング業者を分け、両者からチェックリストを提出してもらいます。その結果、それぞれの施工精度が向上し、細かい不具合が減り、入居後のクレームは大きく減るという訳です。

 

もちろん、現場に工事の進捗を確認に行くことも重要です。コンストラクションマネジャー(CM)が現地を確認します。工事の初期段階・中間・最終確認と大きな工事では最低3回現地に向かいます。また、工事の進捗は工事業者からメールや電話で報告を受けます。

 

このように、問題が発生したらそのつど検証し、早急に改善することがなにより大切です。

 

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※本記事は、『空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式』(幻冬舎MC)より抜粋・再編集したものです。

[増補改訂版]空室率40%時代を生き抜く!「利益最大化」を実現するアパート経営の方程式

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大谷 義武,太田 大作

幻冬舎メディアコンサルティング

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