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相続税の対象になる人はどれぐらいの割合?
相続税は遺産相続があったときに課税される税金ですが、課税されない限度額として基礎控除額(3,000万円+法定相続人1人につき600万円)があります。遺産総額が基礎控除額以下であれば相続税は課税されません。
そのため、亡くなった人がすべて相続税の対象になるわけではなく、実際に相続税を納めるケースは少なくなっています。下の図は、亡くなった人のうち相続税の対象になった人の割合を示しています。令和元年では相続税の対象になった人の割合は8.3%(約12人に1人)でした。
相続税の対象になる人の割合は平成27年に急増しています。これは同年に相続税の基礎控除額が改正され、課税対象になる人が増えたことによるものです。
(相続税の基礎控除額は、改正前は「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」でしたが、改正後は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」と大幅に引き下げられました)
相続税は遺産の何%の割合で課税される?
遺産総額が基礎控除額を超えて相続税の課税対象になった場合、相続人は相続税を納めなければなりません。そこで気になるのが、相続税は遺産の何%の割合で課税されるかという点ではないでしょうか。ここでは、相続税は遺産の何%の割合で課税されるのか、だいたいの目安をご紹介します。
相続税は税率10%~55%の累進課税
相続税の税率は、下の図に示すように10%から55%の範囲で定められています。「相続税の税率は最高55%」というように最も高い税率が強調されることもあって、相続した遺産の半分を相続税として納めなければならないのかと心配になります。
しかし、相続税は遺産のうち低額の部分の税率は低く高額の部分の税率は高い累進課税で、遺産のすべてに55%の税率がかけられるわけではありません。
相続税の税額を計算するときは、遺産を税率の段階ごとに区切って計算すると煩雑になるため、次のような速算表を使って計算します。相続した遺産に一度は高い税率をかけますが、低い税率を適用する部分については控除額で調整します。
相続税の実質的な負担割合はいくら?
遺産総額に対して相続税の実質的な負担割合がどれぐらいになるかを示す目安として、相続税の実効税率をご紹介します。実効税率は相続人全員が納める税額の合計を遺産総額で割って求めるもので、税率表(速算表)の税率に比べるとより実感に近い割合が示されます。
下の表では、子1人で2億円の遺産を相続した場合の税額は4,860万円で、実効税率は24.30%となります(4,860万円÷2億円)。税率表では遺産が2億円以下のときの税率は40%ですが、実効税率はこれよりも低い数値にとどまっています。
配偶者が相続人になっているなど、この実効税率表に当てはまらない場合は、相続税シミュレーションソフトを活用してください。シミュレーションソフトで算出された税額を遺産総額で割ると実効税率がわかります。
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