※画像はイメージです/PIXTA

相続税は高額になるイメージがあり、相続税の支払いで遺族の生活が脅かされるという話も聞かれるほどです。しかし遺産のすべてに高い税率がかけられるわけではありません。詳しく見ていきましょう。

複数人で相続したときの相続税の負担割合は?

続いて、複数人で遺産を相続したときに相続税をどのような割合で負担するかの考え方をご紹介します。

 

実際に相続した遺産の割合で負担する

相続税の計算では、まず相続人の全員が納める税額の総額を計算します。各相続人の負担分は、相続税の総額を各相続人が実際に相続した遺産の割合で按分して求めます。このため、遺産を多くもらった人は相続税も多くなり、もらった遺産が少ない人は相続税も少ないという結果になります。

 

【例】遺産総額が2億円で、法定相続人が子3人の場合
先ほどご紹介した実効税率表から、相続税の税額の合計は2,460万円であるとします。
実際に相続した遺産の割合が、相続人A50%、相続人B30%、相続人C20%であるとした場合、各相続人が納める相続税は以下のとおりになります。
・相続人Aの相続税:2,460万円×50%=1,230万円
・相続人Bの相続税:2,460万円×30%=738万円
・相続人Cの相続税:2,460万円×20%=492万円

 

相続税の按分割合の端数処理

先ほどの例では、実際に相続した遺産の割合が50%、30%、20%と簡単に割り切れる数値でした。しかし、遺産を分ける割合は割り切れる数値にならないことが大半です。

 

相続税を負担する割合は、全員あわせて1.0(=100%)になるように小数第二位未満の端数を調整することができます。ただし、納付税額が高額になる場合は、端数のわずかな違いでも各相続人の税額が大きく変わるため注意が必要です。

 

相続税を専門にしている税理士事務所では、相続人どうしの公平を図るため、相続税の申告書に記載できる最小限度である小数第十位で調整しています。

 

[図5]相続税申告書における按分割合
[図5]相続税申告書における按分割合

 

まとめ:割合は簡単に出せるけれど実際の相続税計算は難解

相続税の負担割合などについて解説してきましたが、この割合を求めること自体は、シミュレーションソフトなどを提供している税理士法人もあるため簡単です。

 

多くの方が苦労するのは、実際に相続税申告を行う段階になった時の財産評価の部分です。相続税が課税される財産は不動産・現預金・株式など様々あり、それぞれに異なる評価方法が存在するためです。

 

相続税申告をしたことがない方がそれらを一から覚え、ミスのない申告を行うことは難しいし時間もかかってしまうので、相続税に強い税理士に依頼することを検討すると良いでしょう。

 

税理士法人チェスター

 

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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