「不動産投資の失敗」で自宅まで手放す羽目に…
●不動産投資の失敗
この問題に直面する方は、医者・公務員・看護師等に特に多いです。投資不動産ブームに乗って投資不動産会社に騙され、ワンルームや一棟収益マンションを買わされた方が多くいます。これらの職業は、ローンが下りやすいので騙されるのです。
そういう方にターゲットを絞り、悪徳投資不動産会社は営業をかけます。スルガ銀行の不正融資のように営業マンと銀行員がタッグを組んで騙したという事例もあります。
最初はマイナス補填も2万円程度で済んでいたが、途中から10万円も補填しないといけなくなった、収納代行会社が賃料を支払ってこなくなった、というトラブルに巻き込まれる方もいます。
「投資に失敗したのなら、投資した不動産を売却すればよいのでは?」と思われるかもしれませんが、そういう場合には、実際より高値で買わされており、いざ売却しようとすると数百万円のマイナスになるというような場合がほとんどです。
本当にそんなうまみのある不動産なら、不動産会社は自分で購入し利益を得ているはずで、自分で購入しないということは、ハズレの物件をつかまされている証拠なのです。それを知らずに放置していると、「不動産投資に失敗した」では済まされない事態となります。
というのは、不動産投資の失敗は、自宅の住宅ローンにも関係してくるのです。投資用不動産を任意売却し、信用情報の記載をされたうえで代位弁済をされると、金融機関や債権者が自宅に仮差押えや競売申立てをしてくる場合があります。
こうなると、自宅の住宅ローンはしっかり払っていたとしても、自宅の住宅ローンも影響を受けて、期限の利益を喪失する危険性があるのです。
このような場合には、投資用不動産だけではなく自宅の住宅ローンも含めてトータルに相談し、問題解決を図る必要があります。投資用不動産を任意売却することにより、自宅まで売却する必要が生じてしまうのは、本末転倒です。
井上 悠一
クラッチ不動産株式会社 代表取締役