「塩分に気を配る」ための“簡単な工夫”
CKDを悪化させないためには、たんぱく質と同じくらい、塩分の摂取にも気を配る必要があります。これについては、CKDの患者さんはいやというほど病院から言われているはずです。
腎臓機能の低下に伴い、ナトリウムを体外へ排泄する能力が落ちてきます。こうしてナトリウムが体内に蓄積されると、高血圧や心不全のリスクが高くなってしまうのです。
ただ、「分かってはいるけれど、薄味はおいしくない」と、なかなか制限できない人も少なくないのではと思います。
ここでいくつか、減塩の工夫について紹介します。
●ハーブやスパイス、酸味で味付けに工夫を
どんなに「食材の味を楽しむ」といっても、薄味=調味料を使わない、と思い込んでしまうと、調理のバリエーションが減ってしまいます。マンネリになってしまうのも無理はありません。
そこで、活用したいのがハーブやスパイス、薬味です。これらは塩分に頼らずに、味覚にインパクトを与えるので、物足りなさを補ってくれるのです。
「辛いものは塩分が多いと思っていた」という人がよくいますが、唐辛子などの辛味は塩分由来ではありません(ただし市販の合成調味料のなかには、味覚調整のために塩分を添加しているものがあるので、表示ラベルの確認を)。
ハーブやスパイスの、少しぴりりとした風味は舌への刺激となり、脳が「濃い味のものを食べた」と錯覚するようにも思います。
例えばステーキにレモンとハーブ、鶏肉のグリルにわさび、白身魚のムニエルに塩分の入っていないカレー粉を少し、といったようにです。
また、酸味を利かせることも、実は減塩にたいへん役立ちます。
酸味の代表格といえば「酢」。米酢、穀物酢、ワインビネガーなどいろいろな種類の酢があります。野菜の酢のものや酢豚など、酸味を利かせて調理すると、味付けに塩を使わずにすむか、使ってもごく少量ですみます。
酢以外にも、レモンやすだち、かぼすなどの柑橘系の絞り汁も風味が良いものです。
【減塩を助ける調味料】
薬味:わさび、しょうが、にんにく、ねぎ、みょうが、からしなど
スパイス:カレー粉(塩分の入っていないもの)、こしょう、唐辛子など
ハーブ:バジル、ローズマリー、ナツメグ、ミント、パセリなど
その他:ビネガー(酢)、レモン汁、出汁(塩分の入っていないもの)